「chocoZAP」のRIZAPグループ、会員数127万人と成長も利益はでず!

 パーソナルジムのRIZAP(ライザップ)からchocoZAP(チョコザップ)を立上げ、店舗数は約1,600店舗を稼働させているRIZAPグループ(以下、ライザップ)。全国都道府県47で展開しているchocoZAP。なお、ライザップは東証に上場しているのではなく、札証アンビシャスに上場している。総合スポーツジム、通常の24時間ジムとは異なる「ゆるめ」のニーズの受け皿になっているchocoZAP。今後の業績と株価の行方は?

「chocoZAP」会員数100万人突破のRIZAPグループの行方は?(2023年12月3日投稿)

■基本情報(2024年8月16日時点)

  • 株価:290円(10年来高値:1,545円)
  • 時価総額:1,730億円
  • 予想PER:86.5倍
  • PBR:3.76倍
  • 予想配当利回り:0%
  • 自己資本比率:26.6%
  • 会計基準:IFRS基準
  • 株主数:131,811人(2024年3月31日時点)
  • 事業価値:2,360億円

■RIZAPの業績は?

 RIZAPの2025年3月期の第一四半期の売上高は412億円(前年比+11.2%増)、営業利益△28.9億円(前年同期は△29.9億円の赤字)と増収赤字継続となった。RIZAPの売上総利益率は+48.5%(前年は+47.7%)と若干改善している。

 RIZAPの売上総利益は前年の177億円→200億円と+23億円の増加、販管費は前年の208億円→230億円と+22億円の増加となり、営業利益は△1億円の改善となった。営業外損益をみると、金融費用(支払利息)は前年の5.4億円→9.0億円と+3.6億円の増加となっている。なお、有価証券報告書をみると、RIZAPの借入利息は1.25%となっている。

■RIZAPの事業状況は?

 RIZAPの目玉事業は、スマートライフジム(コンビニジム)と呼ぶ「chocoZAP」。会員数は127万人(2024年8月)、店舗数1,597店舗、47都道府県へ展開済み。また、2024年6月にSOMPOホールディングスが合計300億円のRIZAPへの出資を決定している。有利子負債約800億円をかかえるRIZAPにとって大きな資金面での助けとなった。

 RIZAPは、フィットネス関係のRIZAPだけでなく、REXT、MRK、BRUNO、堀田丸正などの事業を抱えている。これらの事業はそれほど利益がでておらず苦戦していると言えるだろう。

■成長性が鈍化しているchocoZAP!

 chocoZAPはこれまで、すさまじいスピードで会員数を増やしてきたものの、ここ3四半期は成長性が鈍化している。会員数と増加数は下記のとおり。

  • 2024年6月末:127万人(+7万人)
  • 2024年3月末:120万人(+8万人)
  • 2023年12月末:112万人(+11万人)
  • 2023年9月末:101万人(+26万人)
  • 2023年6月末:75万人(+20万人)
  • 2023年3月末:55万人

 chocoZAPはスポーツジムの要素だけではなく、カラオケ、洗濯・乾燥機、脱毛なども用意している。評判の悪かった清掃も、清掃パートナーを活用して1店舗あたりの清掃回数を増やしている。

 chocoZAPとしては、ただのスポーツ施設にとどまらず、メディカルなどにつなげていくため、chocoZAPメディカルとしてサービス展開を目指している。地方自治体と連携して、公共施設の空きスペースでの出店・連携も推進している。海外展開も進めていて、香港、中国本土、アメリカ、台湾など6都市で11店舗を展開している。

■chocoZAPの株価推移は?

 RIZAPの時価総額は約1,700億円。業績と時価総額をみると、RIZAPの割高感を感じる。しかしながら、キャッシュフロー計算書をみると、営業CFは黒字を毎年維持しており、キャッシュアウトのない減価償却費が利益を圧迫していることがわかる。言い換えると、表面上の利益はでていないものの、企業としてはキャッシュを稼ぐ構造になっている。

以 上

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