再生可能エネルギーのイーレックス、JEPX価格で変動する利益!

 バイオマス発電や東京電力グループと共同で電力小売(新電力)の事業を行っているイーレックス(erex)。現在、5か所のバイオマス発電が稼働しており、売上高は前年比+70%を超える成長となっている。しかしながら、営業利益は前年同期比マイナスとなり、JEPXの基準価格高騰の影響で利益面でマイナスとなっている。

再生可能エネルギーと新電力のイーレックス(erex)、JEPX価格の高騰の影響は?(2021年2月13日投稿)

新電力のイーレックス、JEPXスポット取引単価が高騰!株価の行方は?(2021年1月11日投稿)

新電力事業者のイーレックス(9517)、バイオマス発電?再生可能エネルギーの行方は?(2021年9月27日投稿)

■基本情報(2021年8月27日時点)

  • 株価:2,218円(10年来高値:3,320円)
  • 時価総額:1,313億円
  • 予想PER:20.1倍
  • PBR:2.96倍
  • 予想配当利回り:0.9%
  • 自己資本比率:32.6%
  • 会計基準:日本基準

■イーレックスの業績は?

 イーレックスの2022年3月期の第一四半期の売上高は332億円(前年同期比+78.7%増)、営業利益は11.8億円(前年同期比△7.4%減)の増収減益となった。イーレックスの売上総利益率は+9.9%(前年同期は+15.8%)、営業利益率は+3.5%(前年同期は+6.8%)と大幅な悪化となっている。

 イーレックスは2021年3月期に業績を大幅上方修正していたため、今回の決算も大きな期待が持たれていた。ところが、JEPXの価格高騰による原料費高により前年同期割れの利益となってしまった。

 2021年3月期の決算説明資料をよく読むと、前回の業績大幅上方修正の要因は、相対取引で契約していた電力を市場で売却することにより大きな利益を得ることができたと記載している。つまり、電力価格暴騰による一時的な利益で業績が表面上は絶好調に見えたのだ。

■それほど高い利益率の事業ではない!

 イーレックスの年間売上高は約1,600億円、営業利益114億円を計画している。バイオマス発電事業は営業利益10%未満のビジネスモデルとなっている。これからイーレックスの売上高が大きく伸びるのは、坂出林田バイオマス(75MW)が2025年に稼働することを待たなくてはならない。

 2021年7月20日に沖縄中城バイオマスが稼働しており、2Qからは売上高が伸びるが、そこから2025年までは大きな案件は予定されていない。

■イーレックスの株価推移は?

 イーレックス(売上高1,600億円、営業利益114億円)の時価総額は約1,300億円。競合となるレノバ(売上高300億円、営業利益47億円)は3,200億円ほどあるため、イーレックスはレノバと比べると割安感は高い。利益率はレノバのほうが高い。

過去最高益のレノバ、特殊要因による一時利益約100億円計上!(2021年5月16日投稿)

 2050年カーボンニュートラルの流れのなかで、再生可能エネルギー銘柄は資金流入のため株価は大きく高騰している。カーボンニュートラルで事業は拡大方向に流れるものの、必ずしも儲かるビジネスになるとは限らないことに注意が必要だ。蓄電池の価格が下がり、昼間の太陽光発電の活用が進むと電力価格の引き下げ圧力がかかる可能性も十分ありえる。高騰した再生可能エネルギー銘柄をいま購入するよりも、様子見が無難かもしれない。

(画像1)イーレックスの株価推移

以 上

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