オーダースーツ専門店のグローバルスタイル(旧タンゴヤ)、創業90年の老舗服屋!

 GINZA Global Style(銀座グローバルスタイル)の店舗を展開しているグローバルスタイル。AOKI、青山商事、はるやま、コナカなどの既存スーツ店もセミオーダースーツに参入し、競争が激化している領域ではあるものの、前年同期比+10%を超える成長をしているグローバルスタイル。ネット広告を見る機会も増えている。今後の業績と株価の行方は?

洋服の青山商事、配当利回り11%超から無配へ!(2020年5月9日投稿)

紳士服大手のAOKIホールディングス(8214)、期待されるネットカフェの行方は?(2020年5月10日投稿)

紳士服業界3位のコナカ(7494)、ファッション事業の行方は?(2020年5月10日投稿)

■基本情報(2023年6月16日時点)

  • 株価:1,609円(10年来高値:1,626円)
  • 時価総額:56億円
  • 予想PER:12.1倍
  • 予想PBR:2.56倍
  • 予想配当利回り:1.61%
  • 自己資本比率:25.4%
  • 会計基準:日本基準
  • 株主数:542人(2022年7月31日時点)

■グローバルスタイルの業績は?

 グローバルスタイルの2023年7月期の第三四半期の売上高は78.4億円(前年同期比+15.4%増)、営業利益5.5億円(前年同期比+23.7%増)の増収増益。グローバルスタイルの売上総利益率は+53.2%(前年は+53.5%)、営業利益率は+7.0%(前年は+6.6%)と堅調だ。

 グローバルスタイルの売上総利益は前年の36.4億円→41.8億円に+5.4億円の増加、販管費は前年の31.9億円→36.2億円と+4.3億円の増加となり、差し引きで+1.1億円の営業利益改善となった。正直、業界的にスーツの着用が下火になる中で、堅調な業績であることに驚かされる。

■グローバルスタイルの事業内容は?

 グローバルスタイルは「タンゴヤ」として成長を続け、2022年11月にグローバルスタイルに社名を変更。お店はGINZA Global Styleとして事業を展開している。会社設立は1949年4月、従業員は230名。オーダースーツ、オーダーシャツの専門店として販売している。

 2021年8月24日に東証ジャスダック(現東証スタンダード)に上場。上場時の時価総額は30億円。上場に伴う資金調達は2.3億円にとどまる。オーダースーツは税込41,800円からとなっている。2着以上を購入する場合は、コンビ価格として1着あたり26,400からとなっている。かなり安い。青山商事などの大手紳士服量販店はセミオーダーを展開しているものの、価格はほぼ同じだ。価格が同じであれば、セミオーダーよりもフルオーダーを注文したいところ。

■グローバルスタイルの販管費内訳は?

 グローバルスタイルの粗利(売上総利益)は50%以上を確保しているものの、販管費の負担が重い。2021年度の販管費は40億円(営業利益:3.1億円)、2022年度の販管費は43億円(営業利益:5.5億円)となっている。

 有価証券報告書をみると、2022年度の販管費43億円のうち、広告宣伝費が13.3億円、人件費10億円、地代家賃7.5億円が主な内訳だ。BtoC事業のため、いかに広告宣伝費を有効的に使用するかがポイントになる。

■グローバルスタイルの財務状況は?

 グローバルスタイルの2023年4月30日時点の財務諸表をみると、現預金は16.0億円、原材料19.7億円、有形固定資産15.4億円となっている。有利子負債は約30億円ほど計上されており、財務的に余裕がある状況ではなく、自己資本比率は25.4%となっている。

 2023年7月期の第二四半期までのキャッシュフロー計算書をみると、営業CFは+2.4億円、投資CFは△3.9億円、財務CFは借入金増により+0.9億円となり、現預金の増減は△67百万円となっている。営業CFと投資CF差し引きのフリーキャッシュフローはマイナスとなっており、事業でしっかりキャッシュが積み上がる状態ではない。

 従業員の平均年齢は32.3歳、平均年収は338万円となっており、月収平均が30万円未満となっている点が気になる。人材の確保をできるのだろうか。

■グローバルスタイルの株価推移は?

 グローバルスタイルの時価総額は56億円。正直、上場後にここまで株価が上昇するとは期待していなかった。紳士服は斜陽産業というイメージがあり、成長をつづけるグローバルスタイルは予想外と言える。最近、ジャケットを着る機会も減ってきており、リモートワークの普及で、以前以上にスーツを着る機会が減っている。

 また、夏場はクールビズスタイルで、ジャケットを着る機会はほとんどないのではないだろうか?ユニクロで手ごろなスラックスが販売されており、紳士服専門店でわざわざ購入する必要がない。

 グローバルスタイルで気になるのは有利子負債の金額。年間売上高100億円の企業で有利子負債30億円は規模が大きすぎる。かりに金利が1%上昇すると、年間の支払利息は3,000万円増えることになる。

(画像1)グローバルスタイルの株価推移

以 上

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする