訪問マッサージ・訪問介護のフレアス、コロナ禍で復活の兆し!

 直接雇用のあん摩マッサージ指圧師(国家資格を有する者)が医療保険を適用して訪問マッサージをするサービスを中心に訪問介護なども展開しているフレアス。従業員数は593名。2019年3月に東証マザーズ上場。訪問マッサージだけでなく、星野リゾート「リゾナーレ八ヶ岳」にオイルマッサージ(保険適用外)のサービスを提供している。フランチャイズ展開もしている。

■基本情報(2021年10月29日時点)

  • 株価:1,080円(10年来高値:4,080円)
  • 時価総額:25億円
  • 予想PER:25.2倍
  • PBR:1.56倍
  • 予想配当利回り:0%
  • 自己資本比率:50.7%
  • 会計基準:日本基準

■フレアスの業績は?

 フレアスの2022年3月期の第一四半期の売上高は10.3億円(前年同期比+40.2%増)、営業利益は67百万円(前年同期は△1.8億円の赤字)と増収と営業利益黒字転換となった。フレアスの売上総利益率は+49.8%(前年同期は+29.3%)、営業利益率は+6.5%。

 フレアスの売上総利益率が大きく変動しているのは、直接雇用しているマッサージ師の人件費を売上原価に参入している影響だと思われる。前年はコロナ禍で大きく落ち込んだものの、固定費である人件費は発生するため売上総利益率が大きく悪化したものと思われる。

 フレアスは稼働率が改善すると売上総利益率が上向くものの、従業員数が約600名もいるため、固定費の負担率が大きいことが悩ましい点だ。労働集約型の事業モデルのため、売上高を伸ばすためにはマッサージ師などを増やす必要がある。従業員数が増えると、管理コストが大きく増えることも留意が必要だ。

■売上高の中身は?

 フレアスの2022年3月期の第一四半期の売上高内訳を見ると、マッサージ直営が8.0億円(前年同期は6.2億円)、マッサージフランチャイズ1.4億円(前年同期は0.4億円)、その他0.8億円(前年同期は0.7億円)の合計10.3億円となっている。

 拠点数をみると、マッサージ直営店は89店、フランチャイズ店が238店、訪問介護・看護が8拠点となっている。フランチャイズ店のほうが多いものの、売上高はロイヤリティなどでそれほど大きくない。フレアスの稼ぎの中心はマッサージの直営店となっている。

 フレアスは保険適用マッサージサービスのフランチャイズ展開は2019年7月より本格的に展開しており、2019年9月末で97拠点だったものが、2020年9月末で298拠点、2021年6月末に327拠点と急激に伸びている。フランチャイズの利益率は高いため、今後の成長が期待できそうだ。

■フレアスの株価推移は?

 フレアスの時価総額は約25億円。2019年の上場当時は時価総額100億円ほどあったものの、わずか3年で4分の1まで下落。フレアスの業績をみると、目立った成長性はないものの、フランチャイズ展開の拡大など利益率改善の施策をしっかり打っている。

 財務諸表をみると、有形固定資産は約20百万円しかなく、身軽な経営にみえる。バランスシートに載ってこない従業員を約600名ほど抱えていることがマイナス点のひとつではある。わからない点は借入金が約10億円ほどある点だ。現預金を12億円ほど持っているため、実質的には無借金状態であるものの、借入の経緯が見えない。

 現状、前年同期比で大幅増収となっている。1Qの営業利益は67百万円で、通期予想の155百万円をこのままいくと大きく上回るのではないだろうか。期待したい。

(画像1)フレアスの株価推移

以 上

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする