鉄鋼、非鉄、機械の3本柱で事業を展開する神戸製鋼所(5406)が苦戦中。鉄鋼メーカーは最大手の日本製鉄はじめ、JFEホールディングスも苦戦している。神戸製鋼所は営業利益△50億円の業績予想。日本製鉄が発表した2019年度の営業利益は、△2,844億円のとんでもない大赤字を発表。新型コロナウイルス感染拡大前より鉄鋼メーカーの不振は公表されており、経済の大きな動きの中で鉄をはじめとした素材の需要が急減している。
■基本情報(2020年5月8日時点)
- 株価:351円
- 時価総額:1,280億円
- 予想PER:-(赤字)
- PBR:0.17倍
- 予想配当利回り:0%
■鉄鋼メーカーの苦戦はつづくのか?株価の行方は?
年間売上高が1.9兆円規模の神戸製鋼所の時価総額がたった1,280億円にとどまる。2020年3月13日に10年来安値をつけて、足元は若干反発しているものの、株価の低迷はつづいている。
ここ10年間の株価推移をみると、大手3社の神戸製鋼所、日本製鉄、JFEホールディングスともに同じような動きとなっている。2015年半ばに株価の天井をつけてから、大きなトレンドとして右肩さがりを示している。世界全体や日本の経済を見ると、2016年から新型コロナウイルスの影響が出るまでは、それほど経済は悪くない印象だったものの、鉄鋼メーカーはその経済の波に乗れていなかった。
ここまで株価が下がっても、鉄鋼メーカーの配当利回りは日本製鉄(1.1%)、JFE(2.8%)、神戸製鋼所(0%)と低い水準。配当利回りから見ると、株価はまだ安値というレベルではない。いったい、どこまで株価は下落するのか?
■気になる鉄鋼メーカーの平均年収、意外に低い!
神戸製鋼所の株価低迷とともに気になるのは平均年収。歴史の長い大手企業であれば平均年収も高いはずと見てみると、神戸製鋼所の平均年収は569万円。最大手の日本製鉄も平均年収は613万円。少なくとも、平均年収700円は超えていると思ったものの、意外にも高くない。
平均年収が高い企業であれば、更なるリストラや賞与カットなどで業績改善の余裕があるものの、ここまで平均年収が低いということは打つ手が少ない。企業を見ていく際、平均年収が高い企業は積極的に従業員に利益を還元した結果で、歴史の長い企業ほど平均年収が高止まりしている傾向がある。
売上高が2兆円近い神戸製鋼所の時価総額が1,300億円程度であり、すでに割安水準と思いきや、底値はさらに下のほうにあるかもしれないので注意が必要だ。
■神戸製鋼所の株価推移は?
神戸製鋼所の株価推移をみると、割安と考えて買いで入っている個人投資家も少なくないはず。神戸製鋼所の配当利回りはゼロであり、もう少し株価のトレンドを見極めたうえで買いポジションで入ったほうが安全だ。少なくとも右肩さがりのチャートトレンドが横ばいになるまでは様子をみたほうが安全だ。
以 上