製薬企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)需要拡大、メドピアの業績好調つづく!

 12万人の医師会員が基盤の医師専用サイト「MedPeer」や遠隔診療(オンライン診療)の「kakari」などの事業を展開しているメドピア。2021年9月期の第一四半期の業績を公表したところ、売上高は前年比+106%増の大幅な成長となった。新型コロナウイルスの影響により病院への訪問を自粛する製薬企業からの広告やマーケティング支援などの需要が増えていると思われる。製薬会社はオンラインでのマーケティングに注力しており、医師向けサイトを運営するメドピアには追い風だ。

医師専用サイトから多角展開のメドピア(6095)、コロナ禍で追い風となる!(2020年9月13日投稿)

■基本情報(2021年2月19日時点)

  • 株価:6,100円(10年来高値:8,850円)
  • 時価総額:1,313億円
  • 予想PER:122.7倍
  • PBR:22.61倍
  • 予想配当利回り:0%
  • 自己資本比率:78.7%
  • 会計基準:日本基準

■メドピアの業績は?

 メドピアの2021年9月期の第一四半期の売上高は19.4億円(前年同期比+106%増)、営業利益6.3億円(前年同期比+242.2%増)の大幅な増収増益となった。メドピアの売上総利益率は+69.7%、営業利益率は+32.3%と高い。メドピアの運営する医師専用サイト「MedPeer」を中心とした製薬会社のマーケティングや広告などが好調と思われる。

■メドピアのビジネス内容は?

  メドピアはドクタープラットフォーム事業(医師向けサイトのマーケティング、広告、オンライン診療など)、ヘルスケアソリューション事業(企業向けの産業保健支援、特定保健指導サービスなど)の2つのセグメントにわけて開示をしているものの、具体的な事業の伸びの内訳数値は開示していない。

 遠隔診療(オンライン診療)の「kakari」は、2020年12月末で1,451店舗の薬局加盟店がある。2020年9月~12月の3か月でアプリダウンロード数は3倍に増加と開示しているものの、具体的な売上高や利益は開示されていない。他社の製薬企業向けの事業を見ていると、たとえば、エムスリー、Jストリーム、ブイキューブ、ケアネットなど製薬企業向けのマーケティング支援は大きく伸びており、メドピアも遠隔診療などではなく、製薬企業向けの事業が業績を引っ張っているはずだ。

■保健指導や法人向けの産業保健(産業医)は赤字!

 メドピアのセグメント別の損益をみると、医師向け専用サイト「MedPeer」を活用したビジネスで利益を出している。いっぽう、法人向け産業保健(産業医ビジネス)の「first call」や特定保健指導関係の「MEDIPLAT」のヘルスケアソリューション事業は赤字がつづいている。

■メドピアの株価の行方は?

 メドピアは2021年2月15日に四半期決算を公表した後、株価は大きくさげている。メドピアの業績は絶好調であるものの、2020年3月の安値からメドピアの株価は7~8倍まで上昇していたため利益確定に押された展開だ。メドピアの予想PERなどの株価指標をみると、この1年は割高感が強く出ていた。現在のメドピアの時価総額は約1,300億円。将来的には営業利益50億円~70億円はほしいところ(2021年9月期の営業利益の予想は16.1億円)。来期も利益が倍増するのであれば、株価はどこかで反転するはずだ。

 新型コロナウイルスのワクチン接種がスタートし、ヘルスケアIT関連のエムスリー、ケアネット、JMDC、メドレーなど株価の調整がつづいている。この1年はヘルスケアIT銘柄への期待が先行し、海外投資家を中心に積極的に株が買われてきた。メドピアの海外投資家の保有比率は30%を超えており、海外投資家の動き次第では調整はつづきそうだ。

(画像4)メドピアの株価推移

以 上

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