絶好調のカクヤスグループ、インバウンド特需再来か?月次も好調

 酒類の配達を個人・飲食店向けに展開しているカクヤスやダンガミ・サンノー、明和物産などの事業会社を傘下にもつカクヤスグループ(以下、カクヤス)。コロナ禍で苦しんだものの、現在は大きな反動で絶好調。2023年8月14日、決算短信の発表と同時に業績予想の上方修正を実施。また、増配もあわせて発表した。

売上高過去最高のカクヤスグループ、飲食店向け売上高の回復つづく!(2023年5月20日投稿)

■基本情報(2023年8月14日時点)

  • 株価:2,314円(10年来高値:2,370円)
  • 時価総額:222億円
  • 予想PER:18.8倍
  • PBR:7.7倍
  • 予想配当利回り:2.16%
  • 自己資本比率:8.9%
  • 会計基準:日本基準
  • 株主数:2,179人(2023年3月31日時点)

■カクヤスの業績は?

 カクヤスの2024年3月期の第一四半期の売上高は311億円(前年比+17.2%増)、営業利益は6.0億円(前年は△1.9億円の赤字)と増収黒字転換となった。カクヤスの売上総利益率は+22.4%(前年は+20.8%)、営業利益率は+1.9%(前年は赤字)となった。利益モデルとして、卸売のため営業利益率が低いのは仕方がない。

 カクヤスの売上総利益は前年の55.3億円→69.8億円と+14.6億円の増加、販管費は前年の57.1億円→63.8億円と+6.7億円の増加となり、差し引きで+7.9億円の営業利益改善となった。コロナ禍前の2019年3月期の第一四半期は売上高272億円、売上総利益53.9億円、営業利益4.7億円、売上総利益率+19.8%、営業利益率+1.7%であり、販管費の増加が大きいものの、絶対額としても増益となった。

■飲食店向けの売上が回復基調!

 カクヤスは飲食店向けの売上高が回復している。2019年3月期の第一四半期の飲食店向けの売上高は192億円→214億円と増加、家庭向けも79億円→92億円と増加しており、完全にコロナ前を上回る業績となった。いっぽうで、販管費も増加しており、値上げをしてインフレに対応していく必要がある。

 カクヤスはグループ3社で2023年10月より月額7%のベースアップを実施する。1四半期の人件費は約37億円発生しているため、2024年3月期では2期分が影響し約5億円(1期=2.6億円)のコスト増の要因になる。

■月次業績について

 カクヤスは毎月5営業日に月次報告として前年同月比の売上状況を報告している。2023年8月7日の報告をみると、飲食向けが今期最高の前年比+29.4%増、家庭向けも+11.3%増となり、全体で+22.6%増となっている。この数値は第一四半期の平均よりも高く、第二四半期の売上高の伸びが期待できる。

 若干心配なのは、2023年3月期の営業利益をみると、3Qは+7.9億円、4Qは+7.0億円と来ていて、2024年3月期の1Qは+6.0億円と若干さがっている。売上総利益率も若干さがっているのが気になる。

■カクヤスの株価推移は?

 カクヤスの時価総額は約222億円。今回、業績予想を上方修正しており、1株あたりの当期純利益(EPS)は前回の125.25円→181.46円と+44.9%改善された。予想PERを15~20倍で試算すると、予想株価は2,720円~3,630円となる。現在の株価が2,300円くらいのため、3,000円くらいまでは上昇する可能性はあるだろう。しかしながら、四半期ベースの損益が悪化している点は留意が必要だ(もちろん、季節的な要因はあるだろうが)。

(画像1)カクヤスの株価推移

以 上

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