シェアリングエコノミーの「airCloset」、エアークローゼットの業績の行方は?挽回の可能性は?

 月額課金のサブスクリプション型でレンタル衣料サービスを提供しているエアークローゼット(エアクロ)。四半期末の会員数をみると、2023年3月末は33,490人だったものの、2023年6月末は33,363人と100名近く減少。季節要因もあるかもしれないが、成長性に大きな陰りが見える。エアークローゼットの業績と株価の行方は?

レディース向け月額ファッションレンタル「airCloset」のエアークローゼット、業績下方修正!(2023年5月20日投稿)

■基本情報(2023年8月14日時点)

  • 株価:398円(10年来高値:1,250円)
  • 時価総額:33億円
  • 予想PER:ー
  • PBR:4.8倍
  • 予想配当利回り:0%
  • 自己資本比率:22.3%
  • 会計基準:日本基準
  • 株主数:1,736名(2022年12月末時点)

■エアークローゼットの業績は?

 エアークローゼットの2023年6月期の売上高は37.4億円(前年比+10.3%増)、営業利益△1.9億円(前年は△51百万円)の増収赤字幅の拡大となった。エアークローゼットの売上総利益率は+47.0%(前年は+49.3%)と2.3ポイントの悪化。

 しかしながら、エアークローゼットはレンタル衣料の減損損失を定期的に計上しており、今期は△1.3億円(前期は△3.1億円)を計上しており、この減損を考慮して実態を考える必要がある。本当であれば、減価償却費として計上すべきものであり、資産の陳腐化が起こるビジネスモデルであり、営業損益→特別損失に持っていくと実態が見えないので、あわせて考える必要があるだろう。

■期待される?ディズニー関連

 エアークローゼットは「Disney FASHION CLOSET」というものを打ち出し、2023年7月27日に公表。株価は急騰し、投資家のあいだでは注目を集めたものの、決算説明資料をみると、売上の寄与は2025年6月期から想定とまだ1年以上もかかる。これはかなり期待ハズレではないだろうか。そもそも、どのようなコンセプトかも開示されていない。

 2024年6月期の業績予想は、売上高39.3億円(前年比+5.0%増)、営業利益△1.0億円、当期純利益△1.2億円を想定している。期末会員数は34,546人(前期末比+1,183人)を想定している。

 では、2023年6月期の当初計画がどうだったかみると、売上高42.8億円(結果:37.4億円)、営業利益1.1億円(結果:△1.9億円)、会員数39,525人(結果:33,363人と△6,162人の未達)。正直、本当に実現できるかまったく信用できないだろう。

■エアークローゼットの財務状況は?

 エアークローゼットの2023年6月30日時点の財務諸表をみると、現預金は14.5億円、レンタル用資産4.0億円。負債は、有利子負債が約14億円、前受金1.8億円となっている。

 キャッシュフロー計算書をみると、営業CFは+4.8億円、投資CFはレンタル用資産の投資があり△9.1億円、財務CFは株式発行により+5.4億円。エアークローゼットは2022年7月29日に東証グロースに上場しており、ちょうど1年経過となった。キャッシュフロー計算書は営業CFと投資CFを合算したコアフリーキャッシュフロー(フリーCF)でみるべきであり、このフリーCFは赤字が続いている。

■エアークローゼットの株価推移は?

 エアークローゼットの時価総額は約33億円。一時は時価総額100億円あったものの、業績で期待に応えることができない。財務的にも赤字が継続しており、どこかで増資が実施されるのではないだろうか。ただ、事業モデル的に成長するイメージがつかず、時価総額20億円くらいで低迷がつづくことが予想される。

(画像1)エアークローゼットの株価推移

以 上

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