「チケットぴあ」、コロナの5類移行によりイベント需要が復活!

 オンラインチケット販売の「チケットぴあ」を展開している、ぴあ。コンサートやイベントなどのチケットを中心にチケット販売の仕組みを構築し、コンビニの発券と連携してチケットサービス網を築いてきた、ぴあ。コロナ禍でイベント開催自粛により大きく業績は落ち込んだものの、今後の業績と株価はどうなるのか?

■基本情報(2023年11月17日時点)

  • 株価:3,350円(10年来高値:7,670円)
  • 時価総額:523億円
  • 予想PER:56.8倍
  • PBR:9.72倍
  • 予想配当利回り:0%
  • 自己資本比率:5.6%
  • 会計基準:日本基準
  • 株主数:23,679人(2023年3月31日時点)

■ぴあの業績は?

 ぴあの2024年3月期の第二四半期の売上高は196億円(前年比+26.1%増)、営業利益9.8億円(前年比+122.8%増)の増収増益。ぴあの売上総利益率は+36.2%(前年は+36.6%)、営業利益率は+4.9%(前年は+2.8%)と利益率は高くない。

 ぴあの売上総利益は前年の57.2億円→71.3億円と+14.1億円の増加、販管費は前年の52.8億円→61.5億円と+8.7億円の増加となり、差し引きで+5.4億円の改善となった。

■ぴあの事業内容は?

 ぴあは決算説明資料に力を入れておらず、事業内容などはホームページをみないとわからない。ぴあは音楽、スポーツ、演劇、映画、イベントなどのチケット販売を柱に事業を展開している。ECサイト「チケットぴあ」と提携コンビニエンスストア、コールセンタなどと連携して、ぴあ会員にチケットの販売をしている。

 ぴあはイベントのチケット販売のキーとなるポジションを作っており、この「チケットぴあ」に代替する機能が出てこない限りは安定して利益をあげることができるだろう。ただ、ゆくゆくはチケットレスのイベントなどが増えていき、スマートフォンでイベントチケットを購入できる新たなプラットフォームサービスが出てくると「チケットぴあ」が一気に陳腐化する可能性はあるので注意が必要だ。

■ぴあの財務状況は?

 ぴあの2023年9月末時点の財務諸表をみると、現預金は430億円、売掛金228億円、有形固定資産は125億円、無形資産59億円となっている。負債は、有利子負債が約20億円、買掛金が563億円となり、財務的にはそれほど余裕があるわけではない。利益剰余金は△26.9億円となっており、純資産の部は52億円にとどまる。

 ぴあのキャッシュフロー計算書をみると、営業CFは+196億円、投資CFは△8億円、財務CFは負債の返済があり△21億円となっている。

■ぴあの株価推移は?

 ぴあの時価総額は約520億円。コロナ禍で株価は大きく下がったものの、大きく株価は戻っている。ただ、株価指標的には割高感がある。「チケットぴあ」の優位性をどこまで維持できるかがポイントで、代替となるサービスがでてくると、ぴあの企業価値は一気に毀損されるだろう。

(画像1)ぴあの株価推移

以 上

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