NTTドコモ頼りのAtlas Technologies(アトラステクノロジーズ)!

 独立系のFinTechコンサルティング企業として戦略から実行まで支援するAtlas Technologies(以下、アトラステクノロジーズ)。売上規模が前年比△28.8%と大幅に悪化しており、グロース銘柄であるものの成長性を感じることができない業績となっている。粗利率も下がっており、きびしい状況だ。最近、DX銘柄の業績悪化が目立つ。たとえば、モンスターラボなども前年割れとなっている。

独立系FintechコンサルのAtlas Technologies(アトラステクノロジーズ)、苦戦つづく!(2023年12月2日投稿)

FinTech(フィンテック)のコンサルティングサービス、Atlas Technologies(アトラステクノロジーズ)(2023年8月16日投稿)

■基本情報(2024年8月16日時点)

  • 株価:305円(10年来高値:2,663円)
  • 時価総額:22億円
  • 予想PER:赤字予想
  • PBR:0.94倍
  • 予想配当利回り:0%
  • 自己資本比率:89.4%
  • 会計基準:日本基準
  • 株主数:2,441人(2023年12月31日時点)
  • 事業価値:4.3億円

■アトラステクノロジーズの業績は?

 アトラステクノロジーズの2024年12月期の第二四半期の売上高は10.2億円、営業利益△1.7億円となった。アトラステクノロジーズの売上総利益率は+19.2%と低い。

 アトラステクノロジーズの売上総利益は+2.0億円、販管費は3.7億円のため、営業利益は△1.7億円の赤字となった。売上高に関しては、業績予想に未達となっており、そもそも、業績目標も低い。DX需要が旺盛な中、現状で前年割れをしているグロース企業はきびしいのが正直なところだ。

■アトラステクノロジーズの事業状況は?

 アトラステクノロジーズは前年比で決算説明資料を見せることなく、業績予想対比で表示しており、成長感を理解しにくい。あえて、このような表現にしているのか不明であるが、投資家の立場に立つと、業績予想よりも前年対比で成長しているか知りたいというのが本音。

 その業績予想も未達であり、なんとも言えない業績結果となっている。棒グラフで売上高推移を表示しているが、ゆるやかに成長が停滞していることがわかる。また、売上総利益率も20%を割っている(悪化している)。クライアント数は18社と増えているものの、大口のNTTドコモの取引額が減っている。前年は75%あったNTTドコモ比率が63%まで下落している。正直、見捨てられていると言えるだろう。

 なお、アトラステクノロジーズは従業員数37名、平均年齢42.1歳、平均勤続年数1.5年、平均年収1,009万円となっている。約40名しかいない企業で、平均勤続年数が2年未満というのは働きにくい会社と言えるだろう。

■急増するコンサルタント数

 2023年12月末のコンサルタント数は36名だったものの、2024年6月末の半年後には57名まで増加。正直、玉石混交のメンバーと言えるのではないだろうか。コンサルティング会社はノウハウ、経験が差別化のポイントであり、育成にも時間がかかるのが通常。急激にコンサルタントを増やしても、他社と差別化できるサービスは提供できない。

■アトラステクノロジーズの株価は?

 アトラステクノロジーズの時価総額は約22億円。上場するまでは少人数で利益を出せていたものの、NTTドコモ売上高比率が下がってきて業績面で苦戦している。株価は上場来高値から10分の1近くまで下落している。成長性、収益性とも合格点と言えないため、時価総額15億円くらいまで下落してもおかしくはない。現状は現預金を18億円もっており、ほぼその価値を反映していると言えるだろう。

 Fintech系として上場当初は注目を集めたものの、業績と時価総額がマッチせず、実力値ベースに株価が修正されたというのが実情だ。

以 上

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