結婚式場運営のエスクリ(2196)、ブライダル関連の下落はどこまで?

 結婚式場を運営しているエスクリ。新型コロナウイルの影響により、同業他社含めてブライダル関連の企業の株価下落が止まらない状況だ。いっぽうで、株価は直近の高値から半値以下になっており、株価指標的には割安感も出てきている。

■基本情報(2020年5月1日時点)

  • 株価:368円
  • 時価総額:44億円
  • 予想PER:8.6倍
  • PBR:0.53倍
  • 予想配当利回り:4.34%

■新型コロナ後が気になるブライダル関連企業の動向!

 現在、結婚式を延期している人たちは少なくないだろうが、最終的に結婚式を(延期ではなく)中止するカップルはそれほど多くないはず。エスクリはコアブライダル(エスクリ直営施設の列席者30名以上の挙式)とニューブライダル(その他の挙式、リゾート婚ほか)と分かれていて、コアブライダルの平均単価は1組あたり3.7百万円。

 人生の一大イベントであり、3百万円以上をかける結婚式をやらないまま終えることを選択するカップルはそれほど多くない。コロナが収まってくれば、季節関係なく、数か月でも早いうちに挙式を上げたいと思うのが普通のカップルの感覚だ。

■同業他社も苦戦中!株価下落のブライダル関連

 株価が大きく下落しているのはエスクリだけではない。同業大手のツカダ・グローバルホールディング(2418)は予想PER4.4倍、PBR0.44倍まで下落、テイクアンドギヴ・ニーズ(4331)も予想PER4.7倍、PBR0.33倍まで下落している。

 現在はブライダル関連企業の株価は軒並み下落している。いっぽうで、エスクリは営業利益で毎年15~25億円ほど安定的に稼いできた実績がある。同業他社も同様で、時価総額に比べると割安な水準に入ってきている。テイクアンドギヴ・ニーズは営業利益25~40億円をこれまで毎年稼いでおり、その企業の時価総額がたった83億円(2020年5月1日時点)にとどまっている。

■エスクリの株価チャートは?

 エスクリの株価チャートをみると、300円前後でいったん底をつけ、反発しているような株価の動き。2019年1月の抵抗線の480円を超えることができるかどうかを見極めたい。

 ブライダル関連企業の弱点は、エスクリに限らず、自己資本比率が低いところ。エスクリで自己資本比率33%にとどまっている。自社で結婚式場を保有するビジネスモデルのため、銀行借入に頼らざるえない事業構造が時価総額を下げている。不動産企業と同じように、不況のなかで資金繰りに問題がでないかという不安要素を織り込んだ株価水準になっている。

 新型コロナウイルスの影響を乗り越えることができるか、エスクリだけに限らず、ブライダル関連企業としては今回、大きなチャレンジの機会となるだろう。

(画像1)ここ数年で大きく落ち込んだエスクリの株価推移

以 上

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