ネットゲームやSNS(ソーシャルネットワークサービス)などのモニタリング、ネット上でのいじめウォッチなどを顧客企業から請け負っているアディッシュ(adish)。2014年10月にガイアックスから会社分割した企業。従業員数は連結で403名。社員の平均年齢は33.7歳と若い。今後の成長が期待できるアディッシュの業績と事業内容は?
■基本情報(2023年1月6日時点)
- 株価:1,279円(10年来高値:4,430円)
- 時価総額:23億円
- 予想PER:31.9倍
- PBR:3.12倍
- 予想配当利回り:0%
- 自己資本比率:51.9%
- 会計基準:日本基準
- 株主数:1,376人(2021年12月31日時点)
■アディッシュの業績は?
アディッシュの2022年12月期の第三四半期の売上高は24.8億円(前年は22.1億円)、営業利益1.2億円(前年は+72百万円)と増収増益。アディッシュの売上総利益率は+36.3%(前年は+36.5%)、営業利益率は+4.8%(前年は+3.2%)。ストック型のビジネスモデルのため、売上高が下がりにくいのが特徴であるものの、まだ売上規模が小さく損益分岐点を大きく上回るところまで来ていない。
■アディッシュの事業内容は?
アディッシュはスタートアップ向けにインターネット上のカスタマーサポートに関するサービスを提供している。たとえば、モバイルゲームなどのSNSなどの動向やBtoCのB側の顧客対応の請負などをしている。また、スクールガーディアンという、ネット上のいじめ防止・ウォッチを学校や自治体から請け負っている。
あたらしいビジネスモデルであり、実態の事業内容やサービスはわかりにくいのは正直なところ。製品の売買ではなく、ネットという無形のものの顧客サービスを提供するというもの。料金体系は、初期費用(イニシャル)、月額費用(固定)、対応件数超過費用(従量課金)などで受け取る。ストック売上比率は94.0%と高く、月次解約率は0.9%と低い。
粗利(売上総利益率)が+36%ほどとそれほど高くない。アディッシュの従業員数も年間売上規模(約34億円)に対して、連結ベースで400人を超える社員を抱えており、ネット掲示板の監視など労働集約型サービスの面がある。言い換えると、それらがアディッシュの株価が時価総額20億円くらいで低迷している理由のひとつだろう。
■アディッシュの財務状況は?
アディッシュの自己資本比率は51.9%と健全な範囲。2022年9月末の財務状況をみると、現預金は7.4億円、有利子負債は2.2億円ほどと多くない。財務諸表はきわめてシンプルな形であり、ネットサービス企業として有形固定資産も72百万円くらいしかない。
売上高が100億円くらいまで増えると、粗利が36億円前後でるため、販管費20~25億円で見ても、10億円以上の営業利益がでる計算になる。課題は成長性だろうか?前年比+20~30%くらいの成長性があれば時価総額は100億円くらいまで上昇してもおかしくないだろう。
■アディッシュの株価推移は?
アディッシュの株価は低迷中だ。上場直後は株価は大きく上昇したものの、そこからジリ貧の状態がつづいている。毎日の出来高も低迷しており、アディッシュに注目している個人投資家もかなり少ないだろう。言い換えると、アディッシュが高い成長性や収益性を見せたときには株価は一気に上昇するはずだ。
正直、時価総額20億円前後のストック型モデルの企業で、売上規模が年間35億円くらいある企業はほとんどない。面白い銘柄のひとつとして注目してよい銘柄だ。
以 上