ゲームセンターのクレーンゲームなどの景品を企画販売するエスケイジャパン(SKジャパン)。エスケイジャパンは売上高、利益とも順調に伸びてきていたものの、2018年11月に株価の天井をつけ、そこから右肩さがりの下落がつづいている。株価指標的にも割安なところまで落ちてきているものの、上昇トレンドに転じるのか?今後の株価はどうなるのか?
■基本情報(2020年5月8日時点)
- 株価:297円
- 時価総額:25億円
- 予想PER:30.5倍
- PBR:0.75倍
- 予想配当利回り:2.69%
■保守的な業績予想のエスケイジャパン!
キャラクターグッズなどを企画販売するエスケイジャパン。オリジナルキャラクターの「忠犬もちしば」など好調だ。2019年度は当初、売上高59.3億円、営業利益3.0億円を計画していたものの、2019年10月に上方修正し、結果的に売上高66.1億円、営業利益+6.1億円の結果となった。その実績からPERを算出すると、PERは5倍程度と割安な水準だ。
エスケイジャパンは、悲観的な2020年度の業績予想を公表していて、売上高は52億円(前年比△21.3%減)、営業利益1億円(前年比△83.6%減)とどれも大幅減の計画だ。エスケイジャパンの経営陣のスタンスとして、公表した業績予想を下回りたくないという考え方があると思われる。
そもそも、2019年度に期初予想から売上高、営業利益ともに大幅増で着地することは、会社内の利益管理が甘いということ。営業利益にいたっては、当初3億円から6億円と倍増した実績となった。
2020年度に営業利益1億円の業績予想も同じ考え方で算出していると予想してしまう。新型コロナウイルスの影響はあるものの、営業利益率10%(営業利益額6億円)の企業が、多少の売上高が落ちることで、ほとんど営業利益がでないという業績予想は信じがたい。
■財務体質もバツグンのエスケイジャパン!
エスケイジャパンは堅調な経営をつづけてきて、自己資本比率は85.1%(2020年2月末)、有利子負債(借入金)はゼロという状況。この財務体質の見方を変えると、積極的な新規投資をせず、保守的にこれまでの事業を行っていると考えることできる。
オリジナルキャラクターなどをエスケイジャパンは持っているので、ゲーム事業やライセンス事業など多角化やグローバル展開など新しい領域をスタートできる材料は少なくない。財務体質もバツグンであり、積極的な投資により、期待を株価に織り込む可能性は残されている。現在の時価総額はたった25億円程度で、無借金の企業のPBRが1倍を割っている状況だ。手元現預金だけで23億円となっている。
■エスケイジャパンの株価推移は?
エスケイジャパンの株価推移は、2018年11月に1,035円をつけてから右肩さがりの状況がつづいている。多少は反発するものの、下降トレンドから抜け出せない状況だ。2020年に入ると、新型コロナウイルスの影響を受けて、300円を割っている。エスケイジャパン自体は堅調に利益を積み上げて、財務体質は年々よくなっているものの、株価が反応してくれない状況。
投資家としては、この1年で含み損をかかえた人が増えていて悩ましい状況だ。まずは株価チャートが横ばいするまで様子見が必要かもしれない。
以 上