「ITトレンド」による送客ビジネス、コロナ禍で成長するイノベーション!

 B2B購買マッチングプラットフォーム「ITトレンド」やB2B商材の見本市(展示会)である「ITトレンドEXPO」などを展開しているイノベーション(INNOVATION)。新型コロナウイルスの感染拡大で訪問営業が難しくなるなか、イノベーションの提供する「ITトレンド」が大ヒット。商材の請求を仲介することで企業から仲介手数料を取るビジネスモデル。いわゆる送客ビジネスのひとつ。価格ドットコムやアフィリエイトビジネスに似てビジネスモデルのひとつ。イノベーションの事業内容と業績はどうなっているのか?

■基本情報(2022年1月14日時点)

  • 株価:3,430円(10年来高値:6,700円)
  • 時価総額:82億円
  • 予想PER:24.8倍
  • PBR:3.0倍
  • 予想配当利回り:0.81%
  • 自己資本比率:80.9%
  • 会計基準:日本基準

■イノベーションの業績は?

 イノベーションの2022年3月期の第二四半期の売上高は19.6億円(前年同期比+44.1%増)、営業利益3.0億円(前年同期比+63.2%増)の大幅な増収増益となった。イノベーションの売上総利益率は+51.0%(前年同期は+49.6%)、営業利益率は+15.3%(前年同期は+13.5%)と改善傾向を示している。

 イノベーションはオンラインメディア事業、ITソリューション事業、金融プラットフォーム事業の3つを行っているが、売上高比率でみるとオンラインメディア事業が全体の70%を占めている。営業利益で見ても、オンラインメディア事業が利益の多くを稼いでいる状況だ。

■イノベーションの事業内容は?

 イノベーションはIT・メディア企業と言ってよいだろう。B2B商材のプラットフォーム事業の「ITトレンド」は商材メーカーに顧客を送客することで手数料を得るビジネスモデル。いわゆる、送客ビジネスのひとつ。新型コロナウイルス感染拡大により新しい営業手法が求められるなかで、注目を集めて事業規模と利益を大きく伸ばした企業にイノベーションも入る。

 コロナ禍になって、これまでの営業方法が通じず、新しい営業デジタルトランスフォーメーションというような事業改革を進めるケースがあり、その世の中の流れとイノベーションの「ITトレンド」の事業モデルがうまく一致したという流れだ。そこから派生させたITソリューション事業はイノベーションが開発した営業システムを販売する事業。これはまだ事業規模が小さい。金融プラットフォームもまだまだこれからの事業だ。

■送客ビジネスをおこなう上場企業!

 送客ビジネスをおこなっている上場企業は少なくない。カラダノート、ポート、オープンドア(トラベルコ運営)、エイチーム、じげん等。企業と企業、企業と個人を結ぶことで手数料を得るビジネスモデル(送客ビジネス)。

家族生活をテーマに送客ビジネスを展開するカラダノート、業績と株価の行方は?(2021年3月14日投稿)

送客ビジネスのポート(7047)、「キャリアパーク!」など領域特化型ビジネス展開!(2020年9月22日投稿)

旅行需要激減の「トラベルコ」のオープンドア、希望はワクチン接種か!?(2021年8月10日投稿)

スマホゲーム、情報サイト、自転車ネット通販のエイチーム(3662)、株価は下落トレンドつづく!(2020年9月12日投稿)

求人や不動産など情報サイト一括検索じげん(3679)、売上高の停滞からの脱却は?(2020年6月6日投稿)

■イノベーションの株価推移は?

 イノベーションの時価総額は約82億円。2022年3月期の業績予想は売上高37.4億円、営業利益5.9億円という規模であり、かなり保守的な業績予想と思われるものの、時価総額が200~300億円規模であるべきとは思えないので、いまの株価は事業価値をある程度、正しく表していると言えるだろう。株価指標的にも妥当な水準だ。

 イノベーションが売上高100億円、営業利益15億円を達成できる可能性があるならば、時価総額200~300億円になる可能性は十分ありえる。イノベーションの将来性をどのように見極めるか、ここが投資するかしないかのポイントになる。

(画像1)イノベーションの株価推移

以 上

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