マニュアル作成支援のグレイステクノロジー!クラウド管理で品質向上へ

 クラウド上ですべてのマニュアルを総合管理し、品質向上やコスト削減につなげるグレイステクノロジー。グレイステクノロジーは従業員数45名であるものの、東証1部に上場し、時価総額は約1,000億円を超える評価を得ている。売上高は20億円ほどであるものの、営業利益率は約50%と高く、高収益企業として評価されている。グレイステクノロジーの今後の業績と株価の行方はどうなるのか?

■基本情報(2020年12月29日時点)

  • 株価:7,110円
  • 時価総額:1,010億円
  • 予想PER:126.1倍
  • PBR:41.08倍
  • 予想配当利回り:0.21%
  • 自己資本比率:86.1%
  • 会計基準:日本基準

■グレイステクノロジーの業績は?

 グレイステクノロジーの2021年3月期の第二四半期の売上高は9.1億円(前年同期比+6.8%増)、営業利益は5億円(前年同期比+26.8%増)の増収増益となった。グレイステクノロジーの通期売上高は23億円、営業利益11.7億円、営業利益率は51%と高収益企業。売上規模が小さいものの、マニュアルのクラウド管理という新しい分野で期待されている企業だ。売上総利益率が約80%前後と高く、これから売上高をどこまで増やすことができるかによって、企業価値は大きく変わってくる。

■グレイステクノロジーのビジネス内容は?

 グレイステクノロジーはマニュアルに特化したビジネスをおこなっている。MOS事業(マニュアルオーダーメードサービス事業)はマニュアル作成の支援や翻訳業務の受託などをおこなっている。もうひとつは、MMS事業(マニュアルマネージメントシステム事業)で、マニュアルの管理・配信・閲覧・制作を支援する「e-manual」「GRACE VISION」の導入・運営をおこなっている。

 グレイステクノロジーは労働集約的な事業であるMOS事業の受注を戦略的に縮小し、MMS事業にリソースを集中する経営をすすめている。結果、MMS事業の売上高が前年同期比+32.1%増加し、MOS事業の売上高が前年同期比△30.8%減となっている。グレイステクノロジーの従業員は45名しかいないため、人的リソースをMMS事業に集中した結果となっている。

■「e-manual」の導入促進!

 グレイステクノロジーはクラウド上でマニュアル作成・管理などを行える「e-manual」の導入促進を進めている。いまの世の中の流れをみると、だれもがスマートフォンなどを持っているため、紙のマニュアルよりも、電子化されたマニュアルのほうが管理しやすい方向に進んでいる。企業にとっては紙のマニュアルは管理コスト(保管、印刷、劣化、紛失など)などがかかるため、電子化されたマニュアルのほうが都合がよいという事情がある。

 グレイステクノロジーはMMS事業を強化した結果、1社あたりの売上高が大幅に増加している。現時点の「e-manual」導入社数は累計57社。これからの拡大余地の期待がもてそうだ。

■グレイステクノロジーの株価推移は?

 グレイステクノロジーの時価総額は約1,000億円。従業員45名の企業で、売上高は約20億円、株価はかなり高く評価されていると思われる。同じような規模の会社として、ホテル一元管理システムを提供する、手間いらず(東証1部上場)は売上高16.8億円、営業利益11.8億円で、時価総額は約320億円。WEB分析などのビッグデータ事業のユーザローカル(東証1部上場)は売上高19.2億円、営業利益7.7億円で、時価総額は約310億円。

 グレイステクノロジーのビジネスは競争力のある事業であるものの、市場規模の点で将来の成長性に疑問が残る。コロナショック後に株価は倍以上、上昇している点に注意が必要だ。

(画像4)グレイステクノロジーの株価推移

以 上

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