Reebokジャパンを連結して成長をつづけている靴を中心としたEC通販のジェイドグループ(旧ロコンド)。2024年4月15日に2023年度の決算を発表して堅調なものの、株価はここ数日で一気に半値になった。理由は2つあって、計画値が未達だったこと。もう一つは2024年度の業績予想の営業利益の成長がほぼない点だ。株主は田中社長の成長ストーリーに共感して買い進めていたもののハシゴを外された格好だ。
■基本情報(2024年4月19日時点)
- 株価:1,257円(10年来高値:4,180円)
- 時価総額:144億円
- 予想PER:ー(未定)
- PBR:2.16倍
- 予想配当利回り:0%
- 自己資本比率:52.9%
- 会計基準:日本基準
- 株主数:5,723人(2023年2月28日時点)
- 事業価値:168億円
■ジェイドグループの業績は?
ジェイドグループの2024年2月期の商品取扱高は287億円(前年比+17.6%増)、売上高は133億円(前年比+27.6%増)、営業利益は16.9億円(前年比+70.0%増)となった。
ジェイドグループの商品取扱高比での売上総利益率は+34.8%(前年は+34.2%)、営業利益率は+5.9%(前年は+4.1%)。利益率は改善しているものの、商品取引高で比較すると利益率の高いビジネスモデルではないことがわかる。
ジェイドグループの売上総利益は前年の83.5億円→100億円と+16.5億円の増加、販管費は前年の73.6億円→83.2億円と+9.6億円の増加となり、差し引きで+6.9億円の営業利益の改善となった。
■ジェイドグループの事業状況は?
ジェイドグループの株価が暴落している。決算の内容をみると、前年対比での4Q単期を比較すると取扱高は△5.0%減。特に自社モールは前年同期比△14%の減少となり、Reebokの加算がなければ大きな減収となっていた。気になるのは、減収要因として「某大手ブランドの退店」とあり、どこが退店したか気になる。
ジェイドグループはNTTドコモ系のマガシーク(MAGASEEK)を33億円で買収。これにより事業規模は一気に大きくなるものの、本当にオペレーションの統合など利益がでるか不明点はある。2025年度はグループ取扱高は600~630億円を目指している。
■ジェイドグループの株価推移は?
ジェイドグループの時価総額は約140億円。つい先日までは時価総額300億円あったものの、この1週間で半値に下落。おそらく、反発を期待した買いが入っているものの、まったく下落に反発することができなかった。正直、子のチャートを見ると、抵抗線を大きく割っているので、株価1,000円(現在は1,257円)までは下落するのではないだろうか。
2024年度はマガシークのPMI(統合)費用が発生し、たとえば、倉庫やオフィスの原状回復費用で業績は大きく悪化するのではないだろうか。マガシークは今回の買収にともないすでに社員が100人くらい辞めているというネット情報もある。統合が本当にうまくいくか、2024年度は様子見が無難ではないか。
以 上