デザインをビジネスにするGoodpatch(グッドパッチ)、利益は足踏み状態か!?

 顧客のWeb、アプリなどデジタルのデザインを手掛ける事業やデザイナー特化型キャリア支援サービス「ReDesigner」を展開しているGoodpatch(以下、グッドパッチ)。売上高は順調に成長しているものの、利益は前年割れとなった。事業の方向性としては需要は高まるものの、まだまだ規模感に物足りない点がある。今後の業績と株価はどうなるのか?

■基本情報(2023年10月20日時点)

  • 株価:686円(10年来高値:4,440円)
  • 時価総額:63億円
  • 予想PER:25.8倍
  • PBR:1.58倍
  • 予想配当利回り:0%
  • 自己資本比率:84.1%
  • 会計基準:日本基準
  • 株主数:6,199人(2022年8月31日時点)

■グッドパッチの業績は?

 グッドパッチの2023年8月期の売上高は39.7億円(前年比+6.5%増)、営業利益3.4億円(前年比△14.6%減)の増収減益。グッドパッチの売上総利益率は+58.2%(前年は+61.1%)、営業利益率は+8.4%(前年は+10.5%)と悪化している。

 グッドパッチの売上総利益は前年の22.8億円→23.1億円と+0.3億円の増加、販管費は前年の18.8億円→19.7億円と+0.9億円の増加となり、差し引きで営業利益は△0.6億円の悪化となった。

■グッドパッチの事業状況は?

 グッドパッチは、ウェブ(Web)やアプリなどのプロダクト開発の戦略策定、コンセプト設計、デザイン、開発などをワンストップで提供するサービスを提供している。いわゆる、企業のデジタル面のサポートをしている。企業のデザイン戦略やデザイン組織の構築支援なども実施。そのため、単なるデザイン会社とは異なる。

 もう一つの事業は、デザインプラットフォーム事業というもので、デザイナー特化のキャリア支援サービスを提供している。「ReDesigner」という名称でプラットフォームを構築。

■業績を引っ張るデザインパートナー事業!

 グッドパッチの業績を引っ張っているのは、デザインのサポートをしているデザインパートナー事業だ。全体の約9割の売上高で、利益もほぼこの事業で稼いでいる。いっぽう、キャリアサポート事業は赤字となっている。

 キャリアサポート事業は、2023年8月期は売上高3.2億円、営業利益△96百万円と赤字だ。四半期売上高が1億円をようやく突破し、赤字幅は縮小しているものの、まだまだ規模が小さい。「ReDesigner」の累計登録者数は3.5万人と順調に増えているものの、まだまだ規模感が足りない。契約企業数は346社(前年末は230社)と順調に成長はしている。

■グッドパッチの財務状況は?

 グッドパッチの2023年8月31日時点の財務諸表をみると、現預金は32.7億円、のれん4.8億円、その他は目立った資産はない。負債は、有利子負債が約2億円となっている。

 グッドパッチは2020年6月30日に東証マザーズに上場。上場時に約2.5億円の資金調達にとどまっている。よって、上場前からベンチャーキャピタルに投資をしてもらい、手厚い資本を集めていた。

■グッドパッチの株価推移は?

 グッドパッチの時価総額は約60億円。株価指標的には割高感はない。ただ、高値から半値以上に株価は下落しており、含み損を抱えている人も多いだろう。グッドパッチの2024年8月期の予想EPS(1株あたり利益)は26.6円。予想PERを20~30倍で計算すると、予想株価は540円~800円くらいになる。現在の株価は686円のため、それほど期待感は大きくない。

(画像1)グッドパッチの株価推移

以 上

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