老朽化したスレート屋根を修復するSOSEIというスプレーコーティングやCoolLaser(クーレーザー)という老朽化したインフラのサビや塗膜をレーザーで除去する技術を提供しているトヨコー。インフラメンテナンスに画期的な技術を提供し、株価は大きく上昇中だ。今後の業績と株価の行方は?
■基本情報(2025年8月8日時点)
- 株価:2,960円(10年来高値:3,600円)
- 時価総額:402億円
- 予想PER:83.7倍
- PBR:19.8倍
- 予想配当利回り:0%
- 自己資本比率:58.9%
- 会計基準:日本基準
- 事業価値:392億円
■トヨコーの業績は?
トヨコーの2026年3月期の第一四半期の売上高は6.9億円(前年比+66.4%増)、営業利益1.5億円(前年同期は+48百万円)の増収増益。トヨコーの売上総利益率は+43.2%(前年同期は+43.2%)、営業利益率は+21.3%(前年は+11.6%)となっている。
トヨコーの売上総利益は前年の1.8億円→3.0億円と+1.2億円の増加、販管費は前年の1.3億円→1.5億円と+0.2億円の増加となり、営業利益は+1.0億円の増加となった。
■トヨコーの事業内容は?
老朽化したスレート屋根を修復するSOSEIというスプレーコーティングやCoolLaser(クーレーザー)という老朽化したインフラのサビや塗膜をレーザーで除去する技術を提供している。
工場にスレート屋根と呼ばれる屋根が設置されており、数十年経過すると老朽化して補修が必要になる。そのときにトヨコーのSOSEIによる補修であれば、それほど費用がかからずに復旧できるというのが特徴だ。また、工場を止めることなく老朽化対策できるのが大きな特徴。
CoolLaserはインフラなどのサビをレーザーで除去するもの。産業廃棄物を生まずに除去できるのが大きな特徴だ。日米で特許を権利化している。
■トヨコーの資金調達は?
トヨコーは2025年3月28日に東証グロースに上場。公開価格は730円(時価総額:95億円)に対して、初値は871円(時価総額:113億円)。上場時に株式を22億円売出し、新規に6.7億円の公募増資をしている。
現在のトヨコーの時価総額は約400億円と上場時からすでに4倍の株価になっている。トヨコーは前年比+50%近い成長をしているものの、現在の売上高は年間30億円、営業利益5.8億円のレベル。成長性を考慮しても、時価総額100~150億円が妥当な範囲ではないだろうか。
■トヨコーの財務諸表は?
トヨコーの2025年6月末の財務諸表をみると、現預金は24億円、投資有価証券は4.2億円となっている。負債をみると、有利子負債が14億円となっている。財務的には問題ないものの、時価総額が高過ぎるため、下落するときは一気に下落しそうだ。
■トヨコーの株価推移は?
トヨコーの時価総額は約400億円。成長性は高いものの、2025年3月期の業績は、売上高20億円、営業利益3億円の企業。成長性を考慮して、予想PER30倍で評価しても、時価総額は100億円に満たない。現在は過大に企業価値が評価されていると言えるだろう。

以 上