不正検知サービスの「O-PLUX」「O-MOTION」を中核サービスに事業を展開している、かっこ(Cacco)。2020年12月17日に東証マザーズに上場。2020年12月の業績は好調だったものの、年間売上高は10億円未満であるものの、前年比の成長率が約10%前後と成長性に疑問が残る。時価総額は一時、200億円を超えていたものの、株価の下落がつづき約100億円まで落ちている。今後の業績と株価の行方はどうなるのか?
■基本情報(2021年2月26日時点)
- 株価:4,025円(10年来高値:8,120円)
- 時価総額:105億円
- 予想PER:103.3倍
- PBR:9.2倍
- 予想配当利回り:0%
- 自己資本比率:62.8%
- 会計基準:日本基準
■かっこの業績は?
かっこの2020年12月期の売上高は8.3億円(前年比+11.5%増)、営業利益1.4億円(前年比+39.5%増)の増収増益となった。営業利益率は+16.6%(前年は+13.3%)。かっこの売上高は年間10億円に満たず、年間+10%前後の成長率では物足りないのがホンネ。ただ、5期連続増収増益であり、堅調な成長をたどっていることは安心材料となる。
■かっこのビジネスは?
かっこはSaaS型(いわゆるクラウド型)の不正検知サービスを中核サービスとしている。たとえば、「O-PLUX」は決済事業者向けにEC決済、チケット予約などオンラインの決済などでリアルタイムに不正を検知するサービスだ。「O-PLUX」は月額料金(定額)と従量課金(審査料金)の2つで構成されている。もうひとつの「O-MOTION」は金融機関向けに不正アクセス、不正ログインなどをリアルタイムで検知するサービスを提供している。いずれも、ストック収益型のサービスである点が大きな強み。
■かっこの利益率は?
かっこの売上総利益率は+70.7%(前年は+66.7%)と改善傾向がつづいている。営業利益率は売上規模の増加とともに+16.6%まで上昇している。投資家にとっては、リアルタイム不正検知サービスの市場規模がどのくらいまで大きくなるか見極める必要がある。サイバーセキュリティの重要性が高まり、市場は拡大がつづくと思われるものの、競合他社も多く、どこまで市場シェアを取れるか大きな課題だ。競合他社としては、NTTデータ、Midtrans社、アクルなど。
■かっこの株価の行方は?
かっこの時価総額は約100億円。株価は下落トレンドがつづいている。株価チャートだけを見ると押し目買いしたくなるものの、相場次第ではここから半値の時価総額50億円前後を目指してもおかしくない。まずはチャートがヨコヨコになるまで様子見が無難だ。
以 上