ネット通販好調な靴のヒラキ、巣ごもり需要取り込みで業績は堅調!

 格安の靴をネット通販と靴専門店で販売しているヒラキ。税抜499円の500円を割る価格でシューズを販売していてメディアでも取り上げられている。「靴のヒラキ」であるものの、Tシャツをはじめとしたアパレルにも領域を拡大している。靴のSPAで事業モデルをつくり、徹底した低価格で靴を販売しているヒラキ。今後の業績と株価はどうなるのか?

■基本情報(2021年9月24日時点)

  • 株価:1,022円(10年来高値:1,550円)
  • 時価総額:53億円
  • 予想PER:11.0倍
  • PBR:0.67倍
  • 予想配当利回り:1.95%
  • 自己資本比率:40.0%
  • 会計基準:日本基準

■ヒラキの業績は?

 ヒラキの2022年3月期の第一四半期の売上高は44.4億円(前年同期比±0%)、営業利益4.7億円(前年同期比+8.1%増)。ヒラキの売上総利益率は+50.5%(前年同期は+48.1%)、営業利益率は+10.6%(前年同期は+9.8%)と改善傾向となっている。

 ヒラキは海外生産委託のSPAモデルを採用している。新型コロナウイルスの影響により生産リードタイムが長くなったり、コンテナ船価格の高騰で業績にマイナス影響があるものの、営業利益は前年同期比プラスとなっている。業績を引っ張っているのは実店舗ではなくネット通販だ。

■ヒラキの事業内容は?

 ヒラキは売上高の約55%はネット通販、店舗販売は約43%、残り2%は卸売となっている。つまり、自社製品をネット通販や店舗販売で販売している事業モデルとなっている。

 ヒラキは靴だけでなくTシャツなどのアパレルにも領域を拡大している。Tシャツの価格帯を見ると、だいたい1,000円前後と低価格帯で勝負している。この領域は千趣会の「ベルメゾン」、「ニッセン」、「GU(ジーユー)」、しまむら等、ネット通販でもライバルが多い領域だ。低価格の靴とマッチして販売していく戦略か。

「ベルメゾン」の千趣会、コロナ禍で巣ごもり需要取り込み!(2021年9月25日投稿)

 ヒラキの実店舗は合計11店舗。兵庫県8店舗、大阪府3店舗となっている。ヒラキのセグメント別利益をみると、店舗販売の利益率は5%を割っており、それほど儲かる事業ではない。ヒラキはネット通販で利益をつくる事業モデルになっている。

■靴だけじゃないヒラキに!生活雑貨なども充実!

 ヒラキのネット通販サイトをみると、靴だけではないことが目に付くはずだ。キッチン用品から布団などの寝具まで幅広い商品を低価格で販売している。おそらく、ヒラキは靴だけでなく事業領域を段階的に広げながら事業規模を拡大させていく戦略ではないだろうか?

■ヒラキの中期経営計画は?

 ヒラキは「2020中期経営計画」(2018年~2020年度)にて、売上高200億円(実績は160億円)、営業利益率5%以上(実績は5.8%)と一部未達に終わっている。新型コロナウイルスの影響を受けた面はあるかもしれないが、売上高が大きく未達で終わったことは残念だ。

 新たに策定した「2023中期経営計画」(2021年~2024年度)を見ると、2024年3月期に売上高170億円、営業利益率6.0%を目指すものとなっている。営業利益率6%で換算すると、営業利益は10.2億円となる。堅調な業績目標になっているものの、株式市場としては営業利益20億円を超えるようなチャレンジングな目標がほしいところ。

■ヒラキの株価推移は?

 ヒラキの時価総額は53億円。これまでの株価チャートを見ると、上場時に高く評価されたものの、リーマンショック前に株価は急落。そこから右肩あがりの株価推移をつづけているが、それほど株価が急騰したことはない銘柄。株価指標的には割安感がある。

 ヒラキはIRにそれほど積極的でなく、決算説明資料の作成も年2回のみ。もう少し積極的なIRをしてもよいのではないだろうか。ヒラキの利益構造をみると、売上総利益は約50%ほどあるものの、その大部分を広告宣伝費と荷造発送費を計上し、残る営業利益率は10%にいかない構造となっている。年間で費やす広告宣伝費は約20億円。営業利益9億円の会社にとって少なくない。

 基本的にベルーナ、千趣会、スクロール、アイケイ、ロコンドなどと同じ事業モデルと考えてよい。正直、これらの事業モデルは営業利益率10%が大きな壁になっている。この営業利益率10%の壁をヒラキが突破することができれば、時価総額100~200億円になってもおかしくはない。

巣ごもり特需の反動か?ベルーナの営業利益は前年割れに!(2021年9月25日投稿)

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(画像1)ヒラキの株価推移

以 上

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