ゲーム、スポーツ、ライブストリーミングのDeNA(ディーエヌエー)、業績回復も株価低迷!?

 スマホゲームやスポーツ事業、「Pococha(ポコチャ)」などのライブストリーミング事業を展開しているDeNA(ディーエヌエー)。業績は回復しているものの、時価総額は約2,700億円と事業規模や利益に対して割安に放置されている。2020年はクラウドやヘルスケアIT企業などの東証マザーズ銘柄中心に株式市場はやや過熱気味となったものの、DeNAはいまだ相場の波に乗り切れていない。コロナショック時には時価総額は1,500億円を割る水準まで下がったものの、営業利益は200億円を超える水準まで回復している。今後のDeNAの業績と株価の行方はどうなるのか?

■基本情報(2021年2月26日時点)

  • 株価:2,097円(10年来高値:3,955円)
  • 時価総額:2,731億円
  • 予想PER:10.3倍
  • PBR:1.13倍
  • 予想配当利回り:0.95%
  • 自己資本比率:69.5%
  • 会計基準:IFRS基準

■DeNAの業績は?

 DeNAの2021年3月期の第三四半期の売上高は1,029億円(前年同期比+12.9%増)、営業利益は253億円(前年同期は△442億円の赤字)と増収黒字転換となった。DeNAの売上総利益率は+55%、営業利益率は+24.6%と高い水準となっている。前年は2010年に買収したアメリカのngmoco社の減損が約400億円、ゲーム事業の減損が約80億円あり、大きな赤字を計上していた。

 DeNAにかぎらず、ゲーム事業を中核に事業をしていると四半期ベースの収支は大きくブレることが多い。DeNAも四半期ベースで収支が大きく変動し、安定的に利益を積み上げる体制になっていないことは悩ましい点だ。

■DeNAの事業内容は?

 DeNAはゲーム事業、スポーツ事業、ライブストリーミング事業、ヘルスケアなどのセグメントで事業をおこなっている。売上高の約7割くらいを稼いでいるのはゲーム事業だ。たとえば、「ポケモンマスターズEX」「逆転オセロニア」「アルゴナビズ」などを展開している。また、Mobage(モバゲー)にて500種類以上のゲームを展開している。

 スポーツ事業としては、野球の横浜DeNAベイスターズ、バスケットボールの川崎ブレイブサンダースなどの運営をおこなっている。ライブストリーミング事業では、「SHOWROOM」にてインターネット上でアイドルやタレントなどのライブパフォーマンスを配信している。「Pococha(ポコチャ)」では誰でも気軽に動画配信と視聴ができるソーシャルライブコミュニティを提供している。

■ライブストリーミング事業の黒字化!

 DeNAのライブストリーミング事業は2021年3月期から黒字となっている。ライブ配信アプリとしてはDeNAの運営する「Pococha(ポコチャ)」の人気が高い。競合としてはサイバーエージェントの「17LIVE(イチナナ)」。ユーチューブ(YouTube)では、動画録画したものを配信するものの、ライブ配信アプリではライバー(配信者)と視聴者がコミュニケーションを取れるのが大きな特徴だ。これから新しい市場として成長する可能性は高い。

■DeNAの株価の行方は?

 DeNAの株価は割安だ。時価総額は約2,700億円。2021年2月9日の決算発表と同時に140億円の自己株式取得を発表した。株式市場では成長性と収益性が株価上昇の大きなキーになり、DeNAは成長性の面で足踏みがつづいている。DeNAは、グリー、ミクシィなどとガラケー時代に世の中の流行をつくったものの、スマートフォン時代には波に乗れていない。ただし、DeNAは常に新しい分野にチャレンジしており、ヘルスケアやオートモーティブ事業(自動車シェアの「Anyca」や配車アプリ等)など次の時代で飛躍する可能性の事業も少なくない。引き続き、DeNAの事業動向には注目したい。

(画像4)DeNAの株価推移

以 上

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