マンツーマン指導のオンライン英会話「レアジョブ英会話」を中心に語学関連事業を展開しているレアジョブ。直近5年間で前年比+20%以上で成長をつづけ、営業利益は5年前の5倍ほどに急拡大しているレアジョブ。新型コロナウイルスの感染拡大により在宅時間が増加し、「レアジョブ英会話」としては需要が堅調に推移している。Z会の通信教育にもオンライン英会話を提供し、2021年からは対象コースも拡大予定だ。レアジョブの業績と株価の行方はどうなるのか?
■基本情報(2021年3月12日時点)
- 株価:2,114円(10年来高値:3,145円)
- 時価総額:202億円
- 予想PER:51.8倍
- PBR:10.67倍
- 予想配当利回り:0%
- 自己資本比率:42.8%
- 会計基準:日本基準
■レアジョブの業績は?
レアジョブの2021年3月期の第三四半期の売上高は40.2億円(前年同期比+21.8%増)、営業利益6.1億円(前年同期比+68.0%増)の増収増益となった。レアジョブの売上総利益率は+60.6%(前年同期は+63%)、営業利益率は+15.1%(前年同期は+11%)。売上総利益の伸びに比べて、販管費を抑制できたことが営業利益率改善の要因だ。
■レアジョブの事業内容は?
レアジョブはフィリピンを活用したオンライン英会話「レアジョブ英会話」を中心にビジネスをおこなっている。フィリピン人講師は約6,000名が登録し、インターネットを介して、早朝6時~深夜1時まで受講可能だ。毎日話せる日常英会話コース(毎日25分プラン)は月額5,800円。これまでの対面式の語学教室にくらべて利用者の経済的な負担は大幅に減少したことがヒットの要因のひとつ。
レアジョブは新しいビジネス英語スピーキング力を計測する「PROGOS」というサービスの普及を進めている。試験時間は20分、AI自動採点のもので、ビジネススピーキングの標準となる指標の確立を目指している。
■レアジョブの3カ年計画の状況は?
レアジョブは2022年3月期に売上高62.3億円、営業利益7億円を目指している。2021年3月の進捗をみると、営業利益については前倒しで達成しそうな勢いだ。新型コロナウイルスの影響がレアジョブにとっては追い風になっている点が大きい。この1年でZOOM(ズーム)やマイクロソフトのTeamsなどオンライン会議のアプリなどの導入が進み、「レアジョブ英会話」のような遠隔学習に抵抗感が少なくなっている点も大きい。
■レアジョブの株価の行方は?
レアジョブは2019年から株価は急騰をはじめ、安値から一時は15倍まで上昇した。正直、2017年頃であれば売上規模も小さく、ここまでオンライン英会話で収益が稼げるとは思ってもいなかった。当時、レアジョブの時価総額は40億円前後で、このまま事業も大きく成長することはないと考えていたが、インターネット通信環境の改善などオンライン英会話が普及する環境が徐々に広がっていたことが見えていなかった。
レアジョブの業績をみると、売上総利益率は+60%前後であり、売上規模があがれば、しっかり利益がでる構成になっている点に気が付かなった。いまレアジョブが力を入れているのは「PROGOS」というスピーキング測定システム。TOEICなどに代わるビジネス英会話のスピーキングの標準を目指す狙いと思われる。たしかに標準テストの地位を確立できれば、ゆくゆくは受講料や使用料などの名目で安定的に収益を得ることができそうだ。
以 上