大企業のプロジェクトマネジメントの支援をするPMOのサポートコンサルを行っているマネジメントソリューションズ(以下、MSOL)。2005年7月設立のプロジェクトマネジメントを専門とするコンサル会社。従業員数は598名、そのうちコンサルタントは531名。2018年7月に東証マザーズに上場し、2019年10月に東証一部に変更、2022年4月に市場再編でプライム市場に上場している。
■基本情報(2022年5月6日時点)
- 株価:4,735円(10年来高値:5,050円)
- 時価総額:795億円
- 予想PER:94.9倍
- PBR:32.73倍
- 予想配当利回り:0%
- 自己資本比率:51.5%
- 会計基準:日本基準
■MSOLの業績は?
MSOLの2022年10月期の第一四半期の売上高は23.8億円(前年同期比+57.8%増)、営業利益1.9億円(前年同期比+76.2%増)の増収増益。MSOLの売上総利益率は+39.1%(前年同期は+36.4%)、営業利益率は+7.9%(前年は+7.0%)。
ほかのコンサルティング企業の利益率とくらべると、それほど高くないものの、時価総額がきわめて高いのが特徴だ。M&A仲介のストライク(時価総額:約750億円)は売上高90億円、営業利益34.5億円とMSOLに圧倒的に業績で差をつけているものの、MSOLのほうが時価総額が高いという状況。実力値以上にMSOLの株が買われていると考えてしまう。
M&A仲介のストライク、業績は好調!M&Aマッチングサイト「SMART」運営(2022年5月4日投稿)
■MSOLの事業内容は?
MSOLは企業で行われている様々なプロジェクトの管理を支援するサービスを中心に行っている。主な顧客は大企業で、業務効率化などデジタルトランスフォーメーション(DX)のニーズなど拡大している。
MSOLの成長のポイントは人材だ。この1年で従業員数は490名→598名まで約100名増加。コンサルタント中心に採用を増やしている。MSOLの販管費をみると、採用教育費が前年同期比+186%増となっており、人材紹介会社などへの手数料が増えていると思われる。
MSOLの売上高は、月単価×コンサルタント数×稼働率で算出され、コンサルタントの稼働率は約90%と高い。
■MSOLの株価推移は?
MSOLの時価総額は約800億円。コロナショックや最近の世界的な金融緩和縮小による株価下落の波にも巻き込まれず、上場来高値圏を維持している。いっぽう、予想PERやPBRなど見ても、買われ過ぎの水準に来ているように見える。コンサルティング企業であるものの、労働集約型のビジネスモデルであり、それほど利益率の高い企業ではない。
M&A仲介会社の日本M&Aセンター、M&Aキャピタルパートナーズ、ストライクなど平均年収が1,500万円を超えているものの、MSOLの平均年収は718万円。優秀な人材はM&A仲介会社に取られてしまうだろう。MSOLの2022年10月期の業績予想は売上高115億円、営業利益12億円を計画しており、予想PER30倍くらいで計算すると時価総額300億円くらいが妥当かもしれない。高値掴みには注意が必要だ。
以 上