PR支援サービスのEnjin(エンジン)、業績は好調に推移!

 法人・経営者向けのPR支援サービスやメディアマッチングサービス「メディチョク」などを運営しているEnjin(エンジン)。顧客とメディアをつなぐ仲介業務をしている。広告ではなく、PRという違いの中、PRにしぼった事業展開をしているのが特徴だ。Enjinの業績と株価の行方は?

企業・医療機関向けのブランディングPRサービスのEnjin(エンジン)、好調つづく!(2022年7月24日投稿)

■基本情報(2022年7月22日時点)

  • 株価:3,090円(10年来高値:5,220円)
  • 時価総額:228億円
  • 予想PER:23.6倍
  • PBR:5.99倍
  • 予想配当利回り:1.22%
  • 自己資本比率:78.1%
  • 会計基準:日本基準

■Enjinの業績は?

 Enjinの2022年5月の売上高は30.7億円(前年比+41.7%増)、営業利益12.0億円(前年比+98.1%増)の増収増益。Enjinの売上総利益率は+82.1%(前年は+78.4%)、営業利益率は+39.2%(前年は+28.1%)と高い水準で推移している。

 Enjinは法人・経営者向けのPR支援サービスを行っており、売上高は全体の75.0%。医療機関・医師向けのPR支援サービスは全体の16.4%となり、全体の90%以上はPR支援サービスとなっている。

 Enjinは自社メディア(オウンドメディア)として、「覚悟の瞬間」「KENJA GLOBAL」などを持っており、その露出は全体の31%となっている。残り7割は他社メディアであり、顧客をメディアに売り込むサービスをおこなっている。

■Enjinの事業内容は?

 PRサービス以外にも新聞・TV・雑誌などのメディアと企業をマッチングする「メディチョク」を運営しており、年間売上高は約2億円まで積み上がっているものの、まだまだPR支援サービスとくらべると小さい。

 もうひとつは、決裁者アポイントマッチングサービスの「アポチョク」を展開している。こちらに関しても年間売上高は1億円未満でこれからのサービスだ。

 Enjinの顧客数は合計1,985社、そのうち、医療機関は274社となっている。1社あたり年間100万円の契約単価となっている。PR支援サービスはイニシャルフィー(契約課金)や成功報酬、継続課金などフィーが分かれているものの、その内訳が公表されていない。Enjinが安定的にストック方式の事業モデルを構築しているか決算説明資料では確認できない。

■Enjinの企業状況は?

 Enjinの従業員者数は179名。そのうち、新入社員が45名入社と、全体に占める割合が非常に大きい。事業で覚えるべきノウハウがそれほどないのか、離職率が高いのか、実態が見えない。EnjinはIT企業ではんく、営業会社と見るほうが実態を表している可能性が高い。

 決算説明資料にも「人員増強による成長」とPR支援サービスに記載があり、ソルジャー的に営業活動している可能性がある。Enjinの決算説明資料によると、他社が担当できる営業1名あたりのクライアント数は約5社に対して、仕組み化によりEnjinは1名あたり約50社担当できると記載があり、かなりハードな現場が想定される。また、新卒採用と中途採用により、179名→240名に1年間で増加させる計画をもっている。

 2023年5月期の業績予想は、売上高40.6億円(前年比+32.3%増)、営業利益15億円(前年比+24.8%増)ときわめて堅調な数値予想としている。

■Enjinの株価推移は?

 Enjinの時価総額は約230億円。成長性や収益性を考えると割安だ。ただ、ストック型の収益モデルでなければ、どこかで業績が悪化する可能性が高く、安心できる事業モデルではない。利益率が悪化したり、利益規模が大きく下がった場合、株価は大きく急落する可能性があるため慎重な先行きの見極めが必要だ。

(画像1)Enjinの株価推移

以 上

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