建設現場・工場向けECサイトのMonotaRO(モノタロウ)、この規模感で成長加速!

 建設現場や工場向けを中心にネット通販を展開しているMonotaRO(モノタロウ)。2021年4月30日に公表した2021年12月期の1Q決算は引き続き好調だ。売上高の伸び率は前年同期比+24.6%と新型コロナが追い風となり成長は加速。職場で工具や消耗品を「モノタロウ」で購入することが広まってきた。今後のMonotaROの業績と株価はどうなるのか?

コロナ禍で好調つづくMonotaRO(モノタロウ)、株式分割で市場は好感!(2021年2月7日投稿)

■基本情報(2021年5月7日時点)

  • 株価:2,546円(10年来高値:3,470円)
  • 時価総額:12,762億円(約1.3兆円)
  • 予想PER:73.2倍
  • PBR:25.9倍
  • 予想配当利回り:0.45%
  • 自己資本比率:58.6%
  • 会計基準:日本基準

■MonotaROの業績は?

 MonotaROの2021年12月期の第一四半期の売上高は460億円(前年同期比+24.6%増)、営業利益60億円(前年同期比+33.4%増)の増収増益となった。MonotaROの売上総利益率は+27.1%増(前年同期は+28.4%)、営業利益率+13.1%(前年同期は+12.2%)と前年並みを維持している。MonotaROは工具や消耗品などのECサイトのため、売上総利益率は35%を超えることは難しい。営業利益率は13%前後となっており、売上高の高い伸び率(成長性)が高く評価されている。

■MonotaROの売上総利益率の推移は?

 MonotaRO単体ベースの売上総利益率は30%前後で安定的に推移している。販売する商品構成などで若干ブレはあるものの、いまのビジネスモデルでは高い利益率を確保できている。

■登録口座の伸びが顕著!コロナ禍で需要取り込み!

 MonotaROの取引登録口座数を見ると、2021年3月末で580万口座を突破している。注目すべきは、2021年1月~3月のたった3か月間で33万口座も増加している点だ。企業は事業の効率化を進める際に、MonotaROの導入による購買作業の簡易化をすすめている。従来は、工場の近くの御用聞き商社(商店)が工具・消耗品の仲介をしていたものの、MonotaROを導入することで取引の集約化(支払い、やり取り)に動いているからだ。

■MonotaROの株価推移は?

 MonotaROの時価総額は約1.3兆円。2021年4月30日に好調な業績を公表したものの、株価の下落がつづいている。この背景にはMonotaROが株式分割などで上場来最高値をつけて取引が過熱した反動や東証マザーズに上場するAIinside(AIインサイド)の株価暴落にともなうグロース銘柄の売り圧などの要因がある。

 MonotaROの時価総額は約1.3兆円と大きいものの、成長性と収益性を考えると、株価指標的にはそれほど割高ではない(割安ではないが)。引き続き、業績の拡大はつづく見込みであり、株価が底打つまでは様子見が無難かもしれない。

(画像4)MonotaROの株価推移

以 上

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