2021年12月23日にJASDAQ(スタンダード)に上場した中古カー・バイク用品のリサイクル販売の「アップガレージ」や新品格安タイヤ専門店「東京タイヤ流通センター」を展開しているクルーバー。2021年12月末時点で全国に410店舗(FC店舗含む)を展開しているクルーバー。クルーバーの業績と株価の行方は?
■基本情報(2022年3月11日時点)
- 株価:1,025円(10年来高値:1,800円)
- 時価総額:27億円
- 予想PER:6.7倍
- PBR:0.89倍
- 予想配当利回り:4.39%
- 自己資本比率:55.0%
- 会計基準:日本基準
■クルーバーの業績は?
クルーバーの2022年3月期の第三四半期の売上高は78.2億円(前年同期比+5.5%増)、営業利益5.3億円(前年同期比+24.7%増)の増収増益。クルーバーの売上総利益率は+41.8%(前年同期は+39.6%)、営業利益率は+6.8%(前年同期は+5.8%)。
クルーバーの売上高の内訳をみると、中古カー用品・バイク用品の買取・販売店の「アップガレージ」が約50%を占める。残りは新品カー用品卸売を行うネクサスジャパンの「東京タイヤ流通センター」とITプラットフォーム事業が半分を占める。ECサイトも展開している。
■クルーバーの事業内容は?
クルーバーは自動車・バイク用品に関連した事業を展開しており、リユース事業として「アップガレージ」を直営店46店舗、FC店舗195店舗を展開している。店舗売上高は年間50億円前後で、FC店からのロイヤリティは年間10億円ほど。FC店からのロイヤリティ収入が普通の店舗事業よりも利益率を上げるポイントとなっている。
もう一つは、「東京タイヤ流通センター」で直営店25店舗、FC店舗144店舗を展開し、年間売上高は約25億円前後。そして、モール型ECサイト「Croooober.com(クルーバードットコム)」を展開。2015年度に海外向けのEC販売をスタート。年間売上高は20億円前後ある。
■クルーバーは再上場案件!
クルーバーは2012年4月にMBO(経営者による買収)で上場廃止したアップガレージをベースにしている。最終的には時価総額8億円で終了している。当時、東証マザーズに上場しており、リーマンショックの影響で株価は大きく低迷していた。
■独自の市場ポジション!
クルーバーのポジションは面白い。中古カー・バイク用品をベースに実店舗、FC展開、Eコマースと多角的に展開しており、リサイクル・リユースというのが独特のポジションとなっている。ECサイトのサイト会員は43万人で平均成長率は32.7%増、海外150か国以上に販売されている。ECサイトには「アップガレージ」以外の自動車用品店も出店が可能だ。
■拡大する中古カー用品市場!
自動車やバイクは純正部品は高い。中古の部品を購入したいという層は存在する。家電や日用品などはトレジャーファクトリーやセカンドストリートなど存在するが、「アップガレージ」に該当する店舗は見当たらない(おそらく、個人店舗などは存在するはず)。
クルーバーの決算説明資料をみると、新車・中古車の使用年数推移は増加傾向で、長く自動車を使う傾向となっており、中古部品の需要が増えている。クルーバーは2019年6月より自動車業界特化の人材紹介「BoonBoonJob」をスタート。紹介料は6カ月在籍時にもらう仕組みだ。今後は北米への店舗展開を進めていく方針だ。
■クルーバーの株価推移は?
クルーバーの時価総額は約27億円。株価指標的には激安だ。予想PER6.7倍、予想配当利回り4.4%。上場したタイミングが悪く、世界的な株価下落の波に飲み込まれてしまった。そのため、企業価値を大きく割って株価がさがっている状況だ。なお、公開価格は2,160円のため、公募価格を割れたままだ。
クルーバーは月次売上速報を開示しており、前年比を上回る水準で推移している。JASDAQ上場であるものの、ゆるやかに成長をつづけている企業であり、東証マザーズに上場していてもおかしくはない。現時点の予想配当利回りは1株あたり45円であるものの、一株当たりの当期純利益は178円を予定しており、増配の可能性も少なくない。
以 上