家庭向けに飲料水を宅配するビジネスを展開しているプレミアムウォーターホールディングス(以下、プレミアムウォーター)。ストック型の売上高で安定的に収益を稼ぐビジネスモデル。売上規模が700億円を超えているものの、前年比+10%を超える成長を維持している。プレミアムウォーターの業績と株価の動向は?
■基本情報(2023年4月14日時点)
- 株価:2,461円(10年来高値:4,645円)
- 時価総額:726億円
- 予想PER:17.0倍
- PBR:6.4倍
- 予想配当利回り:2.43%
- 自己資本比率:20.4%
- 会計基準:IFRS基準
- 株主数:1,842人(2022年3月31日時点)
■プレミアムウォーターの業績は?
プレミアムウォーターの2023年3月期の第三四半期の売上高は575億円(前年同期比+13.5%増)、営業利益60.7億円(前年同期比+23.8%増)の増収増益。プレミアムウォーターの売上総利益率は+84.8%(前年は+85.1%)、営業利益率は+10.5%(前年は+9.6%)と高い水準を維持している。
プレミアムウォーターはストック型の収益構造のため、売上高が大きく減少するリスクが少なく、安定的に収益をあげるビジネスモデルとなっている。高い収益性であるものの、株主数が少なく、実力よりも低い評価となっているように見える。
■プレミアムウォーターの事業内容は?
プレミアムウォーターは家庭の顧客とウォーターサーバーの契約をして、毎月、飲料水を宅配するビジネスを構築している。配送についても自社での比率を向上することで収益性の改善を務めている。なお、プレミアムウォーターはシェアNo.1となっている。
ライバルとしては、東証スタンダードに上場しているトーエルの「信濃湧水」、クリクラなどあるが、プレミアムウォーターが保有顧客数150万件を突破してシェアトップとなっている。なお、光通信はプレミアムウォーターの30%を出資する大株主だ。
事業内容の全体像が見えない巨大企業の光通信(9435)、ストック利益で安定成長!(2020年12月19日投稿)
■プレミアムウォーターの宅配水とは?
プレミアムウォーターの天然水(沈殿、ろ過、加熱殺菌以外の処理していない地下水)は、北アルプス、富士吉田、富士、岐阜北方などの採水地からくみ上げて、原水をフィルターで除菌処理している。多くのウォーターサーバーで採用している「加熱処理」ではなく、「非加熱処理」で生のおいしさにこだわっているのが特徴だ。
プレミアムウォーターの価格は、1セット(12L×2本)でウォーターサーバーレンタル代込で月額3,974円となっている。ウォーターサーバー機械の種類によっては値段が変わる。最低利用期間が2年や3年に設定されており、簡単に解約できない仕組みになっている。これがプレミアムウォーターの高収益と高成長の理由の1つ。
■プレミアムウォーターの財務状況は?
プレミアムウォーターの2022年12月末の財務諸表をみると、現預金は251億円、棚卸はたった5億円しかない。有形固定資産は268億円、契約コスト114億円、無形資産23億円と天然水の製造コスト(設備)と契約コストが結構負担となっている。
いっぽう、有利子負債は約540億円あり、負債の負担が重い。今後は借入金の支払利息の上昇のリスクもあり、財務状況の改善が課題のひとつ。自己資本比率が20.4%と低いのが気になるものの、安定的に収益確保できるビジネスモデルで安心感は残る。
■プレミアムウォーターの株価推移は?
プレミアムウォーターの時価総額は約730億円。ここ数年は右肩あがりで上昇してきたものの、すでに高値から半値近くまで株価は下落している。ただ、高成長と高収益のビジネスモデルであり、知名度が向上して株主数が増えれば、さらなる高値更新もありえるだろう。
以 上