介護・医療に特化の人材サービス、ツクイスタッフ(7045)、追い風と向かい風!

 介護大手ツクイが約60%を保有するジャスダック上場のツクイスタッフ。人材紹介、人材派遣、紹介予定派遣などのサービスを提供し、介護や医療に特化した人材を扱っているのが特徴だ。現在の時価総額は約19億円、上場来最安値圏にまで下落している。ここから更なる下落はあるのだろうか?ツクイスタッフの株価はどうなるのか?

■基本情報(2020年7月10日時点)

  • 株価:1,205円
  • 時価総額:19.3億円
  • 予想PER:-(当期純利益ゼロのため算出不可)
  • PBR:0.9倍
  • 予想配当利回り:2.48%
  • 自己資本比率:67.2%
  • 会計基準:日本基準

■ツクイスタッフの業績動向は?

 ツクイスタッフの2020年3月期の売上高は82.6億円(前年比+1.6%)、営業利益3.7億円(前年比△18.0%)と増収減益となった。2021年3月期の業績予想は、新型コロナウイルスの影響により、減収減益を予想している。

 ツクイスタッフの現在の業績をみると、積極的に買う理由が見つからない。そのため、すでに株価はツクイスタッフへの業績拡大への期待がはがれ、上場来最安値圏の時価総額19億円まで落ちている。ここから更に下落するのだろうか?短期的な動きはわからないものの、ツクイスタッフの現預金は約20億円あり無借金、すでに保有している現預金のレベルまで株価が下落している状況だ。中期的にこの水準を下回る可能性はそれほど高くない。

■ツクイスタッフの事業内容は?

 ツクイスタッフの売上構成は、人材派遣(約87%)、人材紹介(約12%)、その他(約1%)となっている。基本的に介護や医療関係の人材をツクイスタッフが雇用し、その社員を社会福祉法人や医療法人(病院)や株式会社(介護関係の事業者)に派遣している。親会社のツクイの人材開発事業の時代から培った介護・医療関係のつながりがビジネスを支えている構造だ。

■ツクイスタッフの追い風と向かい風!

 ツクイスタッフには追い風と向かい風の2つがある。追い風については、やはり2025年に介護職の人手不足が43万人なるといわれている点だ。超高齢化社会に向けて、介護サービスなどの需要は確実に高まっていく。向かい風というか弱点としては、ツクイスタッフには人材サービスとしての圧倒的な強みがない点。もちろん、介護関係の親会社ツクイの後ろ盾があるものの、参入障壁が低い人材サービス業で利益を伸ばし続けることができるのだろうか?取引クライアント数が減少していることも心配だ。

■ツクイスタッフの株価推移は?

 ツクイスタッフは2018年12月に上場しているため、上場から約2年半。最高値は2018年12月17日の4,325円で、現在の株価は約1,200円。すでに3分の1以下まで下落している。新型コロナウイルスの影響により、さまざまな業界がリストラを進めると思われるが、一番はじめにカットされるのは派遣社員と契約社員。介護・医療業界の人手不足は変わらないことを考慮すると、プラス面とマイナス面が入り混じる状況になりそうだ。

 ツクイスタッフとしては、中長期の成長にむけて介護・医療関係の広告代理店事業や外国人人材事業(特定技能制度における人材紹介事業)への事業化を模索している。個人的には、外国人人材事業のビジネスモデルに期待はあるものの、政府の規制などにより必ずしも利益のあがるビジネスモデルになるか見えない部分は大きい。

以 上

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