外食向けのプラットフォーム事業を展開するインフォマート(2492)、成長は継続するのか?

 外食向けBtoBプラットフォーム事業を展開しているインフォマート。売上高97億円で時価総額はなんと2,100億円。高い成長と収益力を武器に株価の快進撃は右肩あがりで続いている。インフォマートは、一般消費者向けのAmazon、工場・工事現場向けのMonotaRO(モノタロウ)、アパレルのZOZO(ゾゾ)のようなプラットフォーム事業のポジションを確保している。株価の上昇はいつまでつづくのか?

■基本情報(2020年5月15日時点)

  • 株価:831円
  • 時価総額:2,155億円
  • 予想PER:185倍
  • PBR:17.2倍
  • 予想配当利回り:0.44倍

■数年先までの成長が織り込まれた現在の株価!

 インフォマートの時価総額を見ると、すでに2,000億円規模。予想PERやPBRを見ても、きわめて割高な水準まで株価は買われている。しかしながら、市場を独占するポジションを取るプラットフォーマー企業にとっては、少しずつ業績が株価に追いついてくるケースも少なくない。例えば、米国のAmazon(アマゾン)がその代表例だ。

 ところが、インフォマートの2020年の業績予想を見ると、売上高96億円(前年比+13%)、営業利益15億円(前年比△39%)と利益が大きく減る計画。事業規模、営業利益額、営業利益率(15.6%)を見るかぎり、時価総額2,000億円規模の株価は割高水準かもしれない。すでに数年先の高成長を織り込んだ株価になっている。

■成長が鈍化している心配なFOOD事業!

 インフォマートの事業は、FOOD事業とES事業の2つに分かれている。FOOD事業は、これまで展開してきた外食向けBtoBの売り手と買い手をつなぐビジネス。ES事業は、外食向けだけでなく、医薬品卸売、アミューズメント、金融、ITなどの多くの業種に展開する請求書電子化の事業だ。

 FOOD事業は売上高、営業利益とも大きいものの、売上高の成長が鈍化し、2020年度で前年比+6.7%を計画している。FOOD事業については、ビジネスの市場規模が天井に差し掛かっている可能性が高い。ES事業の売上高は、前年比+37.9%を計画しているものの、営業利益は△12.9億円の計画。請求書の電子化事業などは、中小企業向けではラクスなどが強く、競合他社がひしめく領域だ。

■インフォマートの株価推移は?

 インフォマートの株価は右肩あがりをつづけているものの、2020年2月から新型コロナウイルスの影響をうけて一旦大きく下落。現在は大きく反発しているものの、緊急事態宣言による飲食店などの営業自粛の影響を大きく受けると思われる。

 インフォマートの株価チャートを見ると、日経平均株価と同じような動きをしているため、株式市場全体の影響に引っ張られる形になると予想する。インフォマートの成長が大きく鈍化すると仮定すると、時価総額400~600億円まで下がってもおかしくない。今後の株価推移に注意が必要だ。

以 上

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