苦戦のgumi、赤字続く、中期経営戦略の目標値の達成は未定!

 モバイルオンラインゲーム、NFT、VRなど新しい事業領域にチャレンジしているgumi。売上規模も減少しつつあり、開発・運営体制の見直しが必要な状態だ。現在の売上規模では黒字化が難しく、事業規模の変革など構造改革が必要な状態。メタバーズ事業の伸びが未知数なため、gumiの今後の業績をどう見るか難しいところ。

メタバース銘柄?赤字で苦戦するgumi、含み益100億円超は事実?(2022年3月13日投稿)

メタバース領域に取り組むgumi!マネタイズに向けた仕組みづくりが必要(2021年12月12日投稿)

■基本情報(2022年6月10日時点)

  • 株価:571円(10年来高値:3,340円)
  • 時価総額:179億円
  • 予想PER:-(未定)
  • PBR:1.66倍
  • 予想配当利回り:0.87%(無配となるので0%のはず)
  • 自己資本比率:50.2%
  • 会計基準:日本基準

■gumiの業績は?

 gumiの2022年4月期の売上高は189億円(前年比+1.7%増)、営業損失△22.6億円(前年は+15.1億円の黒字)と増収赤字転換となった。営業損失だけでなく、営業外費用に為替差損△2.5億円、暗号資産評価損△8.5億円、持分法投資損失△5.7億円を計上、特別損失に減損損失△19.0億円などを計上し、当期純損失は△62.9億円の大きな損失となった。

 gumiの売上総利益率は+10.0%(前年は+26.8%)と極めて低い。支払手数料が16.6億円(前年は8.2億円)と大きく増えており、おそらく乃木坂的フラクタルのライセンスフィーなどが大きく負担になっている可能性がある。これは契約で決まっている構造的な費用で改善させることは難しい。

■gumiの財務状況は?

 gumiは現預金を63億円もっているものの、有利子負債を約54億円ほど計上しており、キャッシュリッチな会社ではない。会計的には昨今の暗号資産関係をはじめとした下落により投資先や保有している暗号資産の評価の切り下げが直撃した形。ただ、これらは会計上の赤字計上のため、キャッシュの流出はない。

 gumiの従業員数は連結ベースで約830名となっており、海外人員が減少をつづけている。いっぽうで、国内人員はほぼ横ばいの状況だ。

■2023年4月期の業績予想は非開示!

 基本的に業績予想は「非開示」と発表。ただ、2021年7月に中期経営戦略の進捗状況などを発表しており、FY22(2023年4月期)に売上高500億円、営業利益100億円を発表しており、少なくとも計画の取り下げ発表は必要ではないだろうか。中期経営戦略の数値目標の発表を「なかったこと」にしようとしているのだろうか。

■ブロックチェーンゲームとは?

 gumiが注目されていたのは、メタバース関連、ブロックチェーンゲーム、NFTなどの流行の事業領域への期待感から。ただ、いまだブロックチェーンゲームと既存ゲームとの違いなど一般社会には認知されておらず、gumiが狙っている事業モデルの説明はもう少し必要ではないだろうか。

 2022年6月10日の決算発表と同時に「ブロックチェーン領域に係るファンド組成及び子会社の設立に関するお知らせ」を発表。中身をみると、ブロックチェーン領域に投資をするという内容だ。期待してよいのか?2021年4月期に約22億円、2022年4月期に約20億円の投資有価証券の評価損を計上しており、ファンドはうまくいっていないと考えるのが自然ではないだろうか。

■gumiの株価推移は?

 gumiの時価総額は約180億円。そもそも、gumiは資本金と資本剰余金で約130億円を投入している。そこから配当を出したこともあるものの、利益剰余金は△22億円のマイナスと会社を設立してから利益がでていない状態だ。

 メタバースなど期待感はあるものの、将来、どこまで稼げる事業モデルになるか未知であり、モバイルオンラインゲームで稼げないことが明白なため、当面は様子見が無難ではないだろうか。

(画像1)gumiの株価、横ばいがつづく

以 上

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