DXコンサルのデリバリーコンサルティング、ITを活用した業務改善の提供!

 テクノロジーコンサルティングという名称で企業や団体の課題解決を行っているデリバリーコンサルティング。2003年4月設立、社員数は連結ベースで139名。2021年7月29日、東証マザーズに上場。上場時の公募増資は1.3億円と規模は小さい。上場時の時価総額は約67億円と現在は半値まで株価は下落している。デリバリーコンサルティングの事業内容と株価の行方は?

■基本情報(2022年9月16日時点)

  • 株価:726円(10年来高値:1,723円)
  • 時価総額:34億円
  • 予想PER:17.6倍
  • PBR:3.75倍
  • 予想配当利回り:0%
  • 自己資本比率:65.3%
  • 会計基準:日本基準
  • 株主数:4,018人(2021年7月31日時点)

■デリバリーコンサルティングの業績は?

 デリバリーコンサルティングの2022年7月期の売上高は21.3億円(前年比+19.1%増)、営業利益3.5億円(前年比+27.0%増)と増収増益。デリバリーコンサルティングの売上総利益率は+32.6%(前年は+30%)、営業利益率は+16.5%(前年は+15.5%)。なお、売上、営業利益ともに過去最高となっている。

 売上総利益は7.0億円で販管費が3.4億円にとどまり、その差額として営業利益3.5億円のプラスとなっている。若干、売上総利益率がそれほど高くない印象が残る。ここ最近はデジタル支援というDX関連のコンサルティングのニーズが増えているものの、付加価値が低いコンサルは単価が下がっている傾向がある。

■デリバリーコンサルティングの事業内容は?

 デリバリーコンサルティングは、デジタル技術を活用した現場な効率化から本格的なDXまでのサービスを提供していると決算説明資料に記載あるものの、DXコンサルティングという枠組みでとらえて差し支えないだろう。従業員数は130名のうち、コンサルタント数98名と割合は大きい。

 顧客は情報通信、製造業、サービス、学術機関、金融機関など幅広く、顧客社数は251社。そのうち、65社は上場企業だ。ジェイコム、トランスコスモス、三菱重工など規模の大きな企業も記載されているものの、トランスコスモスはもともとデリバリーコンサルティングに出資していた株主で関係が深かったのだろう。

■気になる今期の業績予想!?

 デリバリーコンサルティングの2023年7月期の業績予想は、売上高26.3億円(前年比+23.3%増)、営業利益2.7億円(前年比△22.3%減)の増収減益。利益悪化の理由としては、従業員の待遇改善や採用強化により利益悪化としている。本当に業績悪化を業績見通しに織り込んでいるのか、業績の上方修正という形でポジティブサプライズを演出しようとしているのか不明。

 ただ、コンサルティングという事業内容のため、コンサルタントの待遇改善などは顧客の単価に反映すればよいだけで、難しい話ではない。複雑な取引関係が絡む、継続取引をしている小売りや卸売りとは異なる。デリバリーコンサルティングの平均年齢は34.9歳、平均年収は512万円とコンサルティング企業としては高くもないものの、けっして低いわけでもない。

 なお、2025年7月期には売上高39.7億円、営業利益6.7億円、営業利益率+16.8%、コンサルタント数169名を目指す。単純に純利益5億円で予想PERを20倍~30倍で試算すると、時価総額は100億円~150億円になる可能性がある。

■デリバリーコンサルティングの財務状況は?

 デリバリーコンサルティングのB/Sをみると、現預金は10億円、固定資産はほぼない。有利子負債は1.5億円ほどとそれほど多くない。これまでの利益の蓄積を表す利益剰余金は5.7億円(前年同期は3.3億円)と順調に積み上がっている。IPO時には公募増資で1.3億円を調達したのみであり、資金調達よりも知名度アップが上場の目的と考えてよいだろう。

■デリバリーコンサルティングの株価推移は?

 デリバリーコンサルティングの時価総額は約35億円。ほぼ上場来安値の位置まで下落している。しっかり利益のでている事業内容のため、現在の株価は割安だろう。DX関連のコンサルティングは競争がはげしくなると思われ、付加価値や差別化を出さずにいると顧客から契約を打ち切られる可能性も高い。実力をいかにつけていくかが重要だ。

(画像1)デリバリーコンサルティングの株価推移

以 上

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