パーソナルジムを展開しているトゥエンティフォーセブン(以下、24/7ワークアウトとする)。2023年4月にFITTERIAという「カフェのようにリラックスしてトレーニングができる空間」をコンセプトに女性専用のセミパーソナルジムをテストオープン。業績は非常に厳しい中、すでにアフターコロナの世の中で挽回の兆しはあるのか?
苦戦するトゥエンティフォーセブン、コロナと円安・物価高が苦戦要因は本当?(2022年10月29日投稿)
業績厳しいトゥエンティフォーセブン(24/7)、新規顧客獲得に苦戦か(2022年7月18日投稿)
■基本情報(2023年7月14日時点)
- 株価:331円(10年来高値:6,090円)
- 時価総額:15億円
- 予想PER:-(未定)
- PBR:11.97倍
- 予想配当利回り:0%
- 自己資本比率:7.3%
- 会計基準:日本基準
- 株主数:1,505人(2022年11月30日時点)
■24/7ワークアウトの業績は?
24/7ワークアウトの2023年11月期の第二四半期の売上高は17.0億円(前年同期比△23.2%減)、営業損益は△1.8億円(前年同期は△3.1億円)と減益赤字幅の縮小となった。24/7ワークアウトの売上総利益率は+41.9%(前年同期は+46.4%)と利益率は悪化。
24/7ワークアウトの売上総利益は前年10.2億円→7.1億円と△3.1億円の減少、販管費は13.4億円→8.9億円と△4.5億円の減少となり、差し引きで+1.3億円の改善となった。ただ、売上総利益率が悪化、また販管費を大きく削減しており、かなり強引な利益改善の印象が強い。そもそも、店舗経営をしているため、コスト削減にも限界があるのではないだろうか。
そもそも、従業員数は229人(前年は271人)、外数として臨時雇用者(業務委託他)が113人(前年は157人)もいる。全国に93店舗(前年は87店舗)を出店しており、過去最高の店舗数であるものの、従業員が減少しているという状況。おそらく、店舗の稼働率がかなり低いのではないだろうか。
■決算説明資料の気になる文言!
決算説明資料をみると、「2023年5月度単月ベースでは、税引後当期純利益までの各利益段階で黒字を達成」とあり、黒字に転換したことを示唆している。たしかに、2023年11月期の1Qの売上高は8.2億円、2Qの売上高は8.7億円と+0.5億円の増収となっていることがわかる。
■24/7ワークアウトの財務状況は?
24/7ワークアウトで気になるのは財務状況だ。2023年5月末時点の自己資本比率はたった7.3%と低い。現預金は7.2億円あるものの、負債をみると、前受金4.6億円、未払金等が2.3億円あり、財務的には厳しい。有利子負債がゼロであるものの、担保になるような資産がなく、赤字がつづいているため借入は厳しいのではないだろうか。
24/7ワークアウトは2019年11月に東証マザーズに上場し、上場により約19億円を調達している。すでに、上場時に調達したお金をほとんど使ってしまった状況だ。トレーナーの業務委託化を促進しており従業員自体が減少している。今後は黒字になっても、成長することは難しいのではないだろうか。
24/7ワークアウトの従業員の平均年齢は30.4歳、平均勤続年数は4.0年、平均年収は474万円。従業員数は社員229人であるものの、全社共通部門が43名と多い。結局、本社部門の従業員分までパーソナルジムで稼ぐことは難しいのではないだろうか。
■24/7ワークアウトの株価推移
24/7ワークアウトの時価総額は約15億円。時価総額が小さいため、もしかすると、2023年5月の単月黒字化などに反映して、株価は一気に騰がるかもしれない。ただ、将来的に成長を続けることができるかと言えば、いまのままでは難しいかもしれない。
以 上