「Sales Crowd」など営業DXのアイドマ・ホールディングス、高い成長性と収益性!

 「Sales Platform」「Sales Crowd」などの営業支援サービスや「mama works」など人材支援サービスを行っているアイドマ・ホールディングス(以下、アイドマ)。2008年12月設立の新しい会社であるものの、営業支援や人材支援で急成長している注目会社。労働人口が減るなかでDX対応は必須であり、生産性の向上など改善を目指す会社だ。今後の業績と株価の行方は?

■基本情報(2023年8月4日時点)

  • 株価:2,070円(10年来高値:5,705円)
  • 時価総額:315億円
  • 予想PER:24.2倍
  • PBR:6.03倍
  • 予想配当利回り:0%
  • 自己資本比率:60.0%
  • 会計基準:日本基準
  • 株主数:2,023人(2022年8月31日時点)

■アイドマの業績は?

 アイドマの2023年8月期の第三四半期の売上高は66.3億円(前年比+53.4%増)、営業利益は20.1億円(前年比+36.2%増)の増収増益。アイドマの売上総利益率は+74.5%(前年は+78.9%)、営業利益率は+30.3%(前年は+34.1%)と若干、悪化傾向となっている。しかしながら、営業利益率が30%を超えている企業は少なく、また成長性も高く、注目を集める企業のひとつ。

 アイドマの売上総利益は前年の34.1億円→49.4億円と+15.3億円の増加、販管費は前年の19.4億円→29.3億円と+10.0億円の増加となり、差し引きで営業利益は14.7億円→20.1億円と+5.3億円の改善となった。販管費の詳しい内訳はわからないものの、人件費、広告宣伝費、採用費用などが増えていると思われる。

■アイドマの事業内容は?

 アイドマは一言でいうと、営業支援の会社だ。当初は成果報酬型の営業で成長させ、現在は営業DXツールの「セールスクラウド」などを顧客に提供している。会社全体の売上高の内訳をみると、営業支援サービスが全体の76%、人材支援サービスが20%となっている。主に、中小企業の経営を営業・人材の面でサポートする会社だ。

 具体的には、顧客(クライアント)にコンサルをして、契約料や利用料をもらい、アウトソーシングで営業活動を受託する。また、営業DXツールを提供するというビジネスモデルだ。現在のサービス提供企業数は8,900社となっている。顧客分布は100名未満の企業が8割を占める。サービス業、製造業、広告・マーケティング会社などが委託企業だ。

 中小企業は人材採用がうまくできず、営業活動をアウトソーシングするニーズは高い。アイドマはそのニーズにうまくマッチしていると言えるだろう。

■クラウドワーカーなども活用

 アイドマは「ママワークス」というクラウドワーカーを活用する求人サイトを展開している。導入実績は3,332社。また、フルリモート求人メディアの「リワークス」を展開。ただ、「リワークス」をみたものの、まだ求人数はそれほど多くない。

 アイドマの会社のサービスをみると、数多くのサービスを展開して、営業支援に役立つツールに育つかどうかを見ている感じ。現状は玉石混交と言えるだろうが、そのなかかからヒットするサービスが生まれる可能性は十分ありえる。

■アイドマの財務状況は?

 アイドマの2023年5月31日時点の財務諸表をみると、現預金は52億円、のれん10.5億円、投資有価証券9.8億円となっている。負債をみると、有利子負債は約6.5億円、契約負債(前受金)12.2億円、未払法人税7.2億円となっている。自己資本比率は60%であり、財務的には極めて健全だ。

 アイドマの利益剰余金をみると、+30.5億円であり、ここ数年でようやく利益をしっかり出せるようになった企業。2019年8月期は売上高12.9億円、経常利益1.2億円、2020年8月期は売上高18.3億円、経常利益2.2億円、2021年8月期は売上高37.2億円、経常利益8.2億円、2022年8月期は売上高62億円、経常利益16.1億円。かなり成長性が高い企業。

 アイドマは2021年6月に東証マザーズに上場。上場時の初値は3,430円(時価総額253億円)。上場により、約19億円を調達している。

 アイドマの2023年8月期の第二四半期のキャッシュフロー計算書をみると、営業CFは+10.4億円、投資CFは△4.1億円、財務CFは△8.5百万円であり、現預金の増減は+6.2億円。現預金がしっかり増加しており、健全なキャッシュフローだ。

■アイドマの株価推移は?

 アイドマの時価総額は約320億円。成長性や収益性を考えると割安感がある。現在の1株当たりの当期純利益(EPS)は85.5円。現状ベースで考えると、予想PER20~30倍で計算すると、株価は1,710円~2,565円。EPSが来期には10~15%伸びると考えると、EPSは94円~98円で、株価は1,880円~2,940円と試算できる。現状の株価2,000円を考えると、下値はそれほど大きくないのではないだろうか。着実にEPSが伸びていけば、もう少しは予想株価は高くなる。

 いっぽうで、2023年4月に創業者が60万株(約12億円)を売却しており、短期的には市場に株があふれて需給が悪化していると思われる。需給バランスが崩れた影響で、短期的に株が大きく下がる可能性もあるだろう。その下落リスクを考慮して株価をウォッチする必要があるだろう。

(画像1)アイドマの株価推移

以 上

 

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