「北の快適工房」運営の北の達人コーポレーション、業績は安定も株価は停滞つづく!

  目の下やほうれい線専用の「ヒアロディープパッチ」などの「ディープパッチシリーズ」や機能性表示食品「カイテキオリゴ」など美容関連商品・健康食品などをECで販売している北の達人コーポレーション(以下、北の達人)。「北の快適工房」につづくブランドとして、ヘアアイロンの「SALONMOON」に力をいれており、新たに「SPADE」という電子タバコ関連商品を立ち上げた。今後の業績と株価の行方は?

北の達人コーポレーション、業績堅調も販管費増で営業利益は減少!(2021年10月16日投稿)

■基本情報(2023年10月27日時点)

  • 株価:199円(10年来高値:1,105円)
  • 時価総額:280億円
  • 予想PER:29.5倍
  • PBR:4.31倍
  • 予想配当利回り:1.05%
  • 自己資本比率:78.5%
  • 会計基準:日本基準
  • 株主数:73,416人(2023年2月28日時点)

■北の達人の業績は?

 北の達人の2024年2月期の第二四半期の売上高は78.3億円(前年比+81.8%増)、営業利益4.4億円(前年比△15.1%減)の増収減益。とにかく、新規顧客を徹底的に増やしており、売上高が大きく伸びている。それにともなう広告宣伝費の増加により営業利益は減益となった。

 北の達人の売上総利益率は+73.6%(前年は+74.2%)、営業利益率は+5.6%(前年は+12.1%)と営業利益率は大きく悪化している。

 北の達人の売上総利益は前年の31.9億円→57.7億円と+25.8億円の増加、販管費は前年の26.8億円→53.3億円と+26.5億円の増加となり、差し引きで営業利益は△0.8億円の減少となった。

■北の達人の事業状況は?

 北の達人はファブレスメーカーであり、広告宣伝費を活用したマーケティング会社と言ったほうが適切だろう。同じようなビジネスモデルとしては、ファーマフーズ、MTG、バルミューダなどがある。商材の違いはあるものの、デザインや印象などをいかにつくるかがポイントで、販促活動がもっとも重要な戦略だ。北の達人の強みは、3万と言われる広告を商品ごとに管理しており、その広告最適化システムを自社で開発・運用している点だ。

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 北の達人は2022年12月頃から積極的に広告宣伝費を投入しており、2024年2月期は32.6億円も投入している。売上高の41%を広告宣伝費につかっている。従来は定期購入に力をいれていたものの、現在はECモール(アマゾン、楽天市場など)の販売を強化している。

■きわめて株主数が多い北の達人!

 北の達人で気になるのは、株主数が一貫して右肩あがりに増えている点だ。2016年度は8,100人程度だったものの、2019年度は4.8万人、2023年度は7.4万人まで増えている。

 毎年2月末に1単元(100株)以上保有している株主を対象に、定価4,864円(税込)のシミ対策薬用ピーリングジェルを贈呈しており、それを目当てにした個人投資家が増えていると思われる。現在、100株で約2万円のため、投資効果が高いと思われているのだろう。

■北の達人の財務状況は?

 北の達人の2023年8月31日時点の財務諸表をみると、現預金は41億円(2023年2月末は48億円)、棚卸在庫が21億円(2023年2月末は8.5億円)と大きく増えている。現預金から棚卸に大きく資金移動している。負債は有利子負債ゼロで極めて健全な状況だ。

■北の達人の株価推移は?

 北の達人の時価総額は約280億円。2018年4月に時価総額は1,000億円を超えていたものの、現在は4分の1程度まで株価は下落。当時は営業利益率が+20%を超えていたものの、成長が鈍化し、利益率が大きく悪化している。優良企業であるものの、成長性と収益性が大きく既存すると、株価はまだまだ下がる可能性がある。

 消費者も広告宣伝費で大きく引き付けることができるものの、商品の競争力がないと、その顧客を維持することができない。ファーマフーズなども同様だ。広告宣伝費を減らすと、一気に顧客は離れ、売上高も下落するだろう。

(画像1)北の達人の株価推移

以 上

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