「焼肉きんぐ」「丸源ラーメン」の物語コーポレーション、成長つづく!

 「焼肉きんぐ」「丸源ラーメン」など外食チェーンを自社直営およびフランチャイズチェーンで展開している物語コーポレーション。直営で414店舗、フランチャイズチェーンで242店舗を展開。外食チェーンのなかでも、安定的に店舗数を伸ばし、売上高・利益を伸ばしている成長企業の1つ。今後の業績と株価の行方は?

■基本情報(2023年12月22日時点)

  • 株価:4,475円(10年来高値:4,920円)
  • 時価総額:1,627億円
  • 予想PER:30.2倍
  • PBR:6.31倍
  • 予想配当利回り:0.67%
  • 自己資本比率:47.5%
  • 会計基準:日本基準
  • 株主数:50,688人(2023年6月30日時点)

■物語コーポレーションの業績は?

 物語コーポレーションの2024年6月期の第一四半期の売上高は259億円(前年比+18.2%増)、営業利益は21.9億円(前年比+18.0%増)の増収増益。物語コーポレーションの売上総利益率は+66.1%(前年は+66.2%)、営業利益率は+8.4%(前年は+8.4%)と外食産業のなかでは高い水準を維持している。

 物語コーポレーションの売上総利益は前年の145億円→171億円と+26.3億円の増加、販管費は前年の127億円→150億円と+23億円の増加となり、営業利益は+3.3億円の増益となった。販管費の伸びを売上総利益の伸びでカバーできている。売上総利益率が+60%を超えているのはプラス。おそらく、丸源ラーメンの原価率が低いのではないかと推測する。

■物語コーポレーションの事業内容は?

 物語コーポレーションは1949年12月に、おでん屋として創業している。1997年に物語コーポレーションと会社名を変更し、2008年にジャスダックに上場。主に、焼肉とラーメンの2つの柱で事業展開している。焼き肉店は焼肉食べ放題の「焼肉きんぐ」、「肉源」、「焼きたてかるび」など展開。ラーメン店は「丸源ラーメン」「熟成醤油ラーメン きゃべとん」など展開している。

 物語コーポレーションの店舗数は、2023年9月末時点、直営で414店舗、フランチャイズで242店舗の合計656店舗となっている。そのなかで、店舗数がもっとも多いのが「焼肉きんぐ」の310店舗、つぎに「丸源ラーメン」の201店舗、そして、「寿司・しゃぶしゃぶ ゆず庵」の94店舗となっている。北は北海道から、南は沖縄までほとんどの都道府県で事業展開している。

■売上高からみる事業状況は?

 店舗数では「焼肉きんぐ」が310店舗と多く、売上高も全体の53%を占める。おそらく、客単価も高く、物語コーポレーションの事業を大きく引っ張っている存在だ。現在でも「焼肉きんぐ」の売上高は前年比+16.9%増と伸びている。

 物語コーポレーションは、上海とインドネシアにも子会社をもっている。上海とインドネシアの経常利益は赤字で、上海は売上高が前年の81.6%と低迷している。

■増える客単価と客数

 外食産業は月次の既存店売上高前年比推移を公表しているケースが多く、物語コーポレーションも公表している。その数値をみると、安定的に客数が増え、また、客単価も前年を上回る水準で推移している。

■物語コーポレーションの財務状況は?

 物語コーポレーションの2023年9月30日時点の財務諸表をみると、現預金は97億円、有形固定資産は303億円、差入保証金は49億円となっている。負債をみると、有利子負債は約140億円。有利子負債は大きいものの、純資産は258億円と財務は健全だ。

 物語コーポレーションの従業員数は1,401名、平均年齢32歳、平均年収は492万円となっている。

■物語コーポレーションの株価推移は?

 物語コーポレーションの時価総額は約1,600億円。株価的には割高感はあるものの、前年比で+20%近く成長しており、高く評価されるのは当然だ。また、外食チェーンは株主優待が手厚く、個人投資家が積極的に保有している。株主数は5万人を超えている。

 ただ、焼肉店も過剰感があり、このままの成長がどこまで続くか見極めが必要だ。もしかすると、いまの株価は相当先までの成長を織り込んでいて、どこかで一気に株価の調整になる可能性はありえる。

(画像1)物語コーポレーションの株価推移

以 上

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