給与即時払いサービス「CRIA(クリア)」などのメタップス、V字回復なるか!?

 給与即時払いサービス「CRIA」や「会費ペイ」「イベントペイ」「チケットペイ」などファイナンス事業を中心にビジネスを展開しているメタップス。いま話題になっているNFT取引所(デジタル資産取引所)の「miime(ミーム)」は2021年2月にマネックスグループ傘下のコインチェックに売却済み。いまメタップスの株価があがっているのは政府の「電子マネーによる給与支払い」解禁などの背景だ。今後のメタップスの業績と株価はどうなるのか?

■基本情報(2021年3月26日時点)

  • 株価:1,204円(10年来高値:4,740円)
  • 時価総額:163億円
  • 予想PER:-(未定)
  • PBR:2.88倍
  • 予想配当利回り:0%
  • 自己資本比率:25.8%
  • 会計基準:IFRS

■メタップスの業績は?

 メタップスの2020年12月期の売上高は85.7億年、営業利益は△4.6億円。前年は16カ月の変則決算だったため、今期とそのまま比較できないものの、減収減益だったと考えるべきだろう。メタップスの売上総利益率は+47.8%あるものの、販管費の比率が高く、営業利益は赤字となっている。キャッシュフローを見ると、営業キャッシュフローが+2.7億円となっているものの、それほどプラスがでていない。メタップスはわかりにくいビジネスを行っており実態が見えにくいが、いまのところ利益のでる事業モデルにはなっていない。

■メタップスのファイナンス事業は?

 メタップスを支えているのはファイナンス事業だ。給与即時払いサービス「CRIA(クリア)」や「会費ペイ」などの決済サービスが中心だ。この分野ではGMOペイメントゲートやソフトバンクグループなど競合が多く、事業規模をどこまで伸ばせるかがカギになる。競合から市場シェアを奪える強みがメタップスにあるのか今のところ見えていない。ただし、いったん市場シェアを奪えれば、利益が雪だるま式に増えるのが金融サービス。いまは期待が先行している段階だ。

■メタップスの事業内訳は?

 メタップスは売上総利益の73%はファイナンス事業で稼いでいる。また、海外(主に韓国と中華圏)で44%を稼いでいる。メタップスの決算説明資料などを見ても、事業の進捗状況がわからず、海外の何で利益を上げているのか見えていない。

■デジタル資産取引所「miime(ミーム)」売却!

 メタップスアルファの株式をマネックスグループ傘下のコインチェックに2021年2月に売却した。メタップスアルファはデジタル資産取引所「miime」を運営しており、現在でもゲームのアイテムなどの売買が行われている。NFT(代替不可能なトークン)と言われる技術をつかったデジタル資産の取引所で、コインチェック自身も「Coincheck NFT(β版)」をリリースしている。コインチェックは、NFTの将来の発展に期待しており、メタップスはその分野からの撤退となった。なお、コインチェックへの売却額は非開示となっている。

■メタップスの株価の行方は?

 メタップスの株価はようやく下げ止まったように見える。ここから上昇するのか、ヨコヨコで行くのかは業績と市場状況次第だ。メタップスは2025年に営業利益30億円、M&Aを活用したチャレンジ目標として営業利益50億円をかかげている。実際に営業利益30億円を達成した場合は、時価総額は1,000億円を超える水準になる可能性は十分ありえる。

 メタップスは新規事業としてDX支援事業をスタート。ここ最近、インターネット経由のソフトウェアサービスであるSaaSが増え、それを一元管理する「メタップスクラウド」というサービスをスタートする予定だ。この一元管理サービスはHENNGE(ヘンゲ)の「HENNGE One」が先行しており、どこまでメタップスが事業を拡大できる余地があるのか不明だ。

 メタップスはデジタル技術の新しい分野に積極的に参入しており、将来の成長に期待感は残るものの、いまのところ市場を代表するサービスが生まれていないのが実情だ。いまの時価総額約160億円は業績面からは過大評価されており、将来のサービス拡大をどこまで信じるか次第。

(画像5)メタップスの株価推移

以 上

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする