古河電池(6937)、堅調な鉛蓄電池の需要はいつまで続くのか?

 自動車バッテリー向けの鉛蓄電池やデータセンター向けの産業用電池を主力とする古河電池。古河電気工業が57.2%保有する連結子会社だ。自動車バッテリー向けの鉛蓄電池は堅調のものの、今後、伸びてくる電気自動車(EV)などはリチウムイオン電池にシフトしている。鉛蓄電池を主力とする古河電池の成長は順調につづくのか?

■基本情報(2020年5月22日時点)

  • 株価:598円
  • 時価総額:196億円
  • 予想PER:-(未定)
  • PBR:0.73倍
  • 予想配当利回り:-(2019年度は2.2%)

■時代の変化に対応できるか?

 古河電池の足元の業績は堅調だ。2019年度は売上高645億円(前年比+1.4%)、営業利益32.9億円(前年比+17.5%)と堅調に推移している。業績は堅調なものの、世の中は古河電池が主力としている鉛蓄電池からリチウムイオン電池にシフトすると予想されている。古河電池としても時代の変化に対応できるかどうかが、今後の業績の行方を左右することになる。

 古河電池は、研究テーマとしてリチウムイオン電池関連や次世代蓄電池に取り組んでいるものの、現時点では鉛蓄電池がメイン。リチウムイオン電池は電気自動車(EV)だけでなく、パソコン、スマートフォンでは一般的で、産業用蓄電池の分野でも主流になってくる見込み。古河電池の未来は、リチウムイオン電池である程度のポジションを取れるかどうかにかかっている。

■電気自動車やハイブリッドはリチウムイオン電池!

 リチウムイオン電池の開発に関わり、ノーベル化学賞を受賞した吉野彰氏。パソコンや携帯電話、電気自動車(EV)、ハイブリッド車などに使われているのはリチウムイオン電池。自動車の蓄電池と言えば、従来は鉛電池だったものの、充電効率や重量などがネックとなっていた。電気自動車となれば、電気をためる蓄電池が重要な役割を果たす。

 1990年代にニッケル水素電池とリチウムイオン電池が登場し、高効率や劣化しにくいという点でリチウムイオン電池の市場はますます拡大する見込みだ。古河電池としても、拡大する市場のトレンドに乗れるかどうか。リチウムイオン電池は、トヨタ自動車とパナソニックが提携して進めている。その他にはGSユアサ、NECエナジーデバイス、日立ビークルエナジー、ソニー、サムソン、東芝、LG化学など。

■古河電池の株価推移は?

 古河電池の株価推移はボックス圏で動いている状態だ。自動車向けバッテリーは、古河電池が主力とする鉛蓄電池からリチウムイオン電池に移行するため、その流れを株価は織り込んでいる状態だ。今後の古河電池の株価は鉛蓄電池から、いかにして脱却できるかどうかが鍵となる。

以 上

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