「長期・積立・分散」の資産運用をテクノロジーのチカラで自動でおこなってくれる「WealthNavi(ウェルスナビ)」を運営しているウェルスナビ。手数料は運用資産の年率1%(税抜)とわかりやすい設計になっており、預かり資産は4,000億円を突破した。2021年12月末には預かり資産5,300億円を計画している。今後のウェルスナビの業績と株価の行方はどうなるのか?
国内NO.1のロボアドバイザー、資産運用のウェルスナビ(WealthNavi)の株価の行方は?(2021年2月21日投稿)
■基本情報(2021年5月21日投稿)
- 株価:3,775円(10年来高値:4,710円)
- 時価総額:1,721億円
- 予想PER:ー(赤字予想)
- PBR:23.09倍
- 予想配当利回り:0%
- 自己資本比率:46.7%
- 会計基準:日本基準
■ウェルスナビの業績は?
ウェルスナビの2021年12月期の第一四半期の売上高は9.0億円(前年同期比+78.0%増)、営業利益△1.2億円(前年同期は△4.0億円の赤字)と大幅な増収となった。ウェルスナビは売上総利益を開示していないため、売上総利益率は不明だ。
ウェルスナビは広告宣伝費を除いたベースの営業損益を開示していて、2021年12月期の第一四半期は+2.0億円の営業利益の黒字となった。前年同期の同じベースの営業利益は△87百万円の赤字だったため、売上規模の拡大により、確実に粗利が増えていることがわかる。なお、ウェルスナビの今四半期の広告宣伝費は3.3億円。いまのペースでいくと、年間で約12億円の広告宣伝費と試算できる。広告宣伝費を除く営業利益は、2020年12月期の第二四半期から黒字化している。
■ウェルスナビの知っておきべきことは?
ウェルスナビの従業員数は2021年3月末時点で95名。2019年12月末は85名、2020年12月末は91名だったことを考えると、売上規模の拡大にともなって従業員数が増える可能性は少ない。クラウドサービス企業のなかには、企業向けサービスであれば営業人員の増員などが必要になることが多いが、ウェルスナビについてはテレビCMなどの広告宣伝費で加入者を増やすビジネスモデル。
ウェルスナビの従業員の43%はエンジニアのため、普通の資産運用会社とはまったく異なるビジネスモデルとなっている。完全に資産運用ロボ(システム)に働いてもらう仕組みとなっている。「ウェルスナビ」を活用している運用者数は26.9万人を突破。平均運用資産は150万円。2021年2月17日からは「おまかせNISA」というNISA口座での自動資産運用をスタートしている。
■ウェルスナビの株価の行方は?
ウェルスナビの時価総額は約1,700億円。いまの売上規模や営業利益から見ると、とんでもない企業価値になっている。しかしながら、前年比で+60%以上で成長する企業であり、将来の成長性を大きく株価に織り込んだ評価となっている。
ウェルスナビの強みは「つみたて投資」である点だ。「ウェルスナビ」の利用者は、毎月お金を「ウェルスナビ」に投入していくため、ウェルスナビの預かり資産は自然と増えていく。しかしながら、すでに預かり資産は4,000億円を超えており、成長の鈍化がいつ出てくるか注意が必要だ。「ウェルスナビ」がスタートしてから世界的に株式市場は好調だったため、現時点の運用者の多くは含み益がでている状態で、運用資産がマイナスになる経験をほとんどしていない。
株式市場は下落と上昇を繰り返しながら成長していくもので、どこかで株式相場が低迷することになるだろう。その時にも預かり資産を増やすことができるか注目していきたい。
以 上