呼吸器感染症検査薬の迅速診断キット(インフルエンザ、肺炎球菌ほか)や迅速診断キット(いわゆる検査キット)の判定用機器などを製造・販売しているミズホメディー。おそらく、株式に興味がある人以外はミズホメディーの存在をほとんど知らないだろう。いま新型コロナウイルスの検査キットの需要急増によりミズホメディーの製造が追いつかない状況がつづく。ミズホメディーの売上高は前年比4倍くらいの状況だ。
■基本情報(2022年1月28日時点)
- 株価:2,080円(10年来高値:4,165円)
- 時価総額:198億円
- 予想PER:4.3倍
- PBR:2.71倍
- 予想配当利回り:6.97%
- 自己資本比率:65.4%
- 会計基準:日本基準
■ミズホメディーの業績は?
ミズホメディーの2021年12月期の第三四半期の売上高は106億円(前年同期比+324.5%増)、営業利益56.7億円(前年同期は△2.4億円の赤字)と大幅な増収増益となった。ミズホメディーの売上総利益率は+76.2%(前年同期は+59.7%)、営業利益率は+53.6%と売上高の半分以上が営業利益となっている。
ミズホメディーがこれほど業績が改善しているものの、時価総額が約200億円にとどまるのは、新型コロナウイルスの特需が抜けたあとを株式市場が織り込み始めているからだ。新型コロナウイルスが落ち着いたあとは、大きく減益になることはほぼ間違いないだろう。
■ミズホメディーの事業内容は?
ミズホメディーはさまざまな感染症の検査キットを製造・販売している。検査キットだけではウイルスの判定ができないため、判定のための機器も病院・検査センターなどで需要が爆発的に増えている。
ミズホメディーはウイルスの検査キットだけでなく、妊娠検査薬や排卵日検査薬なども大手ドラッグチェーン店などで販売している。
今回の新型コロナウイルスが落ち着き、万が一、どこかで新たなウイルスが発生して世界的に蔓延した場合にはミズホメディーの業績が一気に改善することを忘れないようにしなければならないだろう。
■ミズホメディーの業績内訳は?
ミズホメディーは決算説明会資料を2021年12月の第二四半期と第四四半期しか作成しないため最新の内訳はよくわからない。第二四半期の資料をみると、2021年12月期の業績予想として、売上高113億円のうち、83億円は新型コロナウイルス検査薬が占めると公表している。昨年は新型コロナウイルス感染拡大にともない、インフルエンザ検査薬の需要が激減し、業績が悪くなった。
第二四半期の時点で、新型コロナウイルス検査薬の売上高は46.8億円となり、2021年11月8日に売上高113億円→130億円に大きく上方修正しているため、新型コロナウイルス検査の需要がさらに増加していることが予想できる。
■ミズホメディーの株価推移は?
ミズホメディーの時価総額は約200億円。一時的な特需のため、この特需がなくなると業績は一気に元に戻る見込みだ。新型コロナウイルスも時間がたつにつれて弱体化しているように見え、重症化率や死亡者数が激減しているように思える。
いまの業績から考えると、ミズホメディーの株価は激安であるものの、これからの業績を考えると、新型コロナウイルス次第と言えるかもしれない。いまは様子見して、株価がさがって新しいウイルスが蔓延してきたらミズホメディーの株を購入するのが妥当のような気がするが、どうなるのか?
海運の商船三井や日本郵船なども同じような見通しを持った人が多かったかもしれないないが、思った以上にコンテナ船の価格高騰がつづいており、業績は予想以上に伸びている。株価もさらに伸びたことを考えると、もしかするとミズホメディーの株価はこれからさらに急騰する可能性があることは補足しておく。
以 上