業務用食材通販サイトを展開しているミクリード。2022年3月期の第三四半期の決算を発表し、引き続き赤字であるものの、第三四半期単体は売上高10.5億円、営業利益47百万円の黒字。顧客数は過去最高を更新中。しかしながら、2022年1月からコロナ再拡大で再び苦境が到来するのか?
業務用食材通販のミクリード、21年10月以降に業績回復の兆しか!?(2021年11月13日投稿)
■基本情報(2022年2月4日時点)
- 株価:825円(10年来高値:1,620円)
- 時価総額:18億円
- 予想PER:ー(未定)
- PBR:2.03倍
- 予想配当利回り:0%
- 自己資本比率:59.9%
- 会計基準:日本基準
■ミクリードの業績は?
ミクリードの2022年3月期の第三四半期の売上高は22.9億円(前年同期比+5.2%増)、営業損失△35百万円(前年同期は△72百万円)の増収赤字幅の縮小となった。ミクリードの売上総利益率は+33.7%(前年同期は+33.9%)、営業利益率は△1.5%(前年同期は△3.3%)と大きな変化はない。
ミクリードの2022年3月期の四半期別の売上高は、6.2億円(1Q)、6.2億円(2Q)、10.5億円(3Q)と新型コロナウイルスによる飲食店への協力金の有無によって業績が大きく振れることがわかる(3Qは協力金の対象となる営業自粛要請がなかった)。ミクリードの現在の損益分岐点は四半期売上高8~9億円前後と思われる。
■ミクリードの将来を予想する!
居酒屋など飲食店は現在はきびしい事業環境であるものの、新型コロナウイルスはどこかでインフルエンザのような季節性のウイルス性肺炎(いわゆる風邪症状群)として取り扱われることを予想する。現在もウイルスが変異するたびに弱体化している。ワクチン接種の効果がでているのか不明であるものの、重症化率・致死率が大きく下がっているのは間違いない。
2021年7月~10月の第5波の60歳以上の重症化率は5.0%、致死率は2.5%(1,000人に25人)、60歳未満の重症化率は0.56%、致死率は0.08%(1,000人に0.8人)。いっぽう、2022年1月~1月14日までの第6波の60歳以上の重症化率は1.45%、致死率は0.96%(1,000人に9.6人)、60歳未満の重症化率は0.04%、致死率は0%と大きく低下している。
ミクリードの業績は2022年3月期の第三四半期だけでみると、すでに黒字化。どこかで新型コロナウイルスが一般的な風邪症状群と変わらない取扱いになると、飲食店への協力金が発生することはなくなるだろう。そうすると、以前と変わらず、居酒屋などで飲み会が開催されることが予想される。
ミクリードは足元、顧客の店舗数が過去最高を更新しており、利用する数自体は大きく伸びている。単価にあたる月間購入額がコロナ前の水準に戻っていないことはマクロ的な要因であり、コロナが収束すると改善されると思われる。
■ミクリードの利益構造は?
ミクリードの売上総利益率は34%前後で安定している。ミクリードの現在の損益分岐点売上高は32億円前後と思われる。売上高が100億円になった場合、限界利益率17%で限界利益17億円、そこから固定費7億円を控除して、営業利益10億円くらいでるのではないだろうか?
■ミクリードの株価推移は?
ミクリードの時価総額は18億円。上場時から新型コロナウイルスの影響で業績は低迷しており、株価は一定のレンジで推移している。コロナ禍が終わったときに、どのような業績を出せるかで企業価値が大きく見直されると期待したい。
以 上