Reebokジャパンを連結して成長をつづけている靴を中心としたEC通販のジェイドグループ(旧ロコンド)。Reebok事業に加えて、NTTドコモのマガシークを買収。事業規模は大きく伸びた。今後の課題は収益性をいかに高めるか。現状の商品取扱高対比での営業利益率は+4.2%。いまの事業モデルでは営業利益率2ケタを超えるのは難しいだろう。
計画値未達のジェイドグループ(旧ロコンド)、株価は数日で半値に!(2024年4月20日投稿)
業績堅調なジェイドグループ(旧ロコンド)、Reebok効果がつづく!(2023年10月14日投稿)
■基本情報(2024年7月12日時点)
- 株価:1,916円(10年来高値:4,180円)
- 時価総額:220億円
- 予想PER:19.5倍
- PBR:3.13倍
- 予想配当利回り:0%
- 自己資本比率:35.2%
- 会計基準:日本基準
- 株主数:4,397人(2024年2月29日時点)
- 事業価値:225億円
■ジェイドグループの業績は?
ジェイドグループの2025年2月期の第一四半期の売上高は46.9億円(前年比+37.1%増)、営業利益4.8億円(前年比△10.4%減)の増収減益。ジェイドグループの売上総利益率は+32.8%(前年は+35.8%)、限界利益率+17.4%(前年は+19.0%)、営業利益率は+4.2%(前年は+7.2%)と悪化傾向。
ジェイドグループの限界利益は前年の14.1億円→20.0億円と+5.9億円の増加、固定費は前年の8.7億円→15.2億円と+6.5億円の増加となり、営業利益は△0.6億円の悪化となった。
■ジェイドグループの事業状況は?
ジェイドグループはマガシークを買収して事業規模は大きく増加。いっぽうで、現時点では費用増加により業績は前年比悪化となっている。もっとも大きいのは人件費が約2.8億円ほど増加。荷造運賃が約1.7億円の増加、手数料が約1.9億円の増加となっている。
ジェイドグループの決算説明資料をみたものの、マガシークの事業への貢献度合いが開示されておらず、このまま利益がでる仕組みかイマイチ見えないというのが正直なところ。限界利益は大きく増えたものの、固定費が増えた結果、営業利益は前年割れしている。これからPMI(買収後の事業統合)によりシナジーやコスト削減がでてくることを期待したい。
気になるのは、Reebok事業の売上高が前年割れしており成長が止まっている点。おそらく、それほど利益がでる事業にはならないのではないだろうか。
■ジェイドグループの財務状況は?
ジェイドグループの2024年5月末時点の財務諸表をみると、現預金は40.6億円、商品が30.3億円、無形資産が21.9億円、敷金・保証金が11.9億円となっている。負債をみると、有利子負債が37億円、受託販売預り金が31.7億円となっている。受託販売預り金が大きく増えているものの、その理由は不明。
■ジェイドグループの株価は?
ジェイドグループの時価総額は約220億円。約4年前の「ヒカル砲」から低迷してきたものの、上昇トレンドになりそうな雰囲気はある。インフレによる物価上昇により、在庫を抱える小売りはその恩恵を継続的に受けることができるだろう。
現状の事業価値(EV)は220億円のため、EBITDAが年間で約25億円くらいになるならば、EV/EBITDA倍率は10倍を割るので妥当な事業価値だろう。
以 上