ソフトウェアテストの分野で高い成長をつづけているSHIFT(シフト)。SHIFTの重視する売上総利益率は+30%を超えているものの、販管費比率が上昇していて営業利益率は悪化。せっかく改善してきた営業利益率も1ケタに戻ってしまった。取引客数は1,828社と伸びているものの、中身が悪化していると思われる。SHIFTの業績と株価の行方は?
成長つづくソフトウェアテストのSHIFT(シフト)、エンジニア数6,000人!(2021年10月23日時点)
ソフトウェアテストのSHIFT(シフト)、成長再加速で株価は上場来高値更新!(2021年7月10日投稿)
■基本情報(2024年7月12日時点)
- 株価:13,220円(10年来高値:36,090円)
- 時価総額:2,357億円
- 予想PER:31.8倍
- PBR:7.25倍
- 予想配当利回り:0%
- 自己資本比率:52.5%
- 会計基準:日本基準
- 株主数:2,838名(2023年8月31日時点)
- 事業価値:2,300億円
■SHIFTの業績は?
SHIFTの2024年8月期の第三四半期の売上高は811億円(前年比+28.1%増)、営業利益70.6億円(前年比△14.2%減)の増収減益。SHIFTの売上総利益率は+31.7%(前年は+33.7%)、営業利益率は+8.7%(前年は+13.0%)と悪化している。
SHIFTの売上総利益は前年の214億円→257億円と+43億円の増加、販管費は前年の131億円→186億円と+55億円の増加となり、営業利益は△12億円の悪化となった。販管費の内訳をみると、前年比+42%も増えており、人件費関係の伸びが大きい。
■SHIFTの事業状況は?
SHIFTの顧客から受け取るエンジニア単価は上昇を続けていて月額96.1万円まで上昇。エンジニア数は1.2万人まで増加。販管費は人件費が前年の65億円→90億円と+25億円の増加。採用費用も32億円→38億円と+6億円の増加。地代が5億円→11億円と+6億円増加しており、2つに分かれていたオフィスを麻布台ヒルズに移転したことが大きな費用増加の要因と思われる。SHIFTとしては事業開発としての将来投資という位置づけだ。
SHIFTの事業では人材数が大きなポイントで、人材派遣会社と同じように、いかに稼働人員を増やしていくかが事業モデルの根幹となっている。SHIFTの2023年8月期の従業員数(単体)は4,396名で平均年齢は37歳、平均勤続年数2年、平均年収は643万円となっている。それほど年収が低いわけではない。
なお、2022年8月期の情報をみると、平均年収は605万円だったので、大きく昇給または給与水準の修正をしていることがわかる。
■具体的なSHIFTの事業内容は?
SHIFTはソフトウェアテストを主力領域にしている。具体的には、テスト設計・実行、テスト自動化、脆弱性診断など。システムインテグレーションなどと異なり、経験がない人を業務に割り当てて、稼働人数と稼働単価で稼いでいく事業モデル。
2024年4月の新卒採用は330名。麻布台ヒルズに移転した理由として、いかに人材を採用できるかに尽きる。言い換えると、人材採用が厳しい状況であり、採用コストも大きく積み上がっている。
■SHIFTの株価推移は?
SHIFTの時価総額は約2,300億円。事業価値(EV)も同等で、EV/EBITDA倍率は約20倍になる。成長性はあるものの、販管費の伸びのほうが大きく、利益構造が大きく悪化していくことが予想される。すでに株価は高値から3分の1くらいまで下落しており、完全にチャートは下落トレンドに入っている。
以 上