介護付有料老人ホーム運営のチャーム・ケア、介護事業は堅調!

 介護付有料老人ホームを「チャームスイート」「チャーム」「アテニティ」ブランドで展開しているチャーム・ケア・コーポレーション(以下、チャームケア)。現時点、7,155室(7,374名)の老人ホームを展開し、介護事業で高い収益性を出している。今後のチャームケアの業績と株価の行方は?

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■基本情報(2025年8月8日時点)

  • 株価:1,150円(10年来高値:1,906円)
  • 時価総額:376億円
  • 予想PER:7.8倍
  • PBR:1.92倍
  • 予想配当利回り:2.95%
  • 自己資本比率:39.4%
  • 会計基準:日本基準
  • 株主数:6,484名(2024年6月30日時点)
  • 事業価値:415億円

■チャームケアの業績は?

 チャームケアの2025年6月期の売上高は467億円(前年比△2.4%減)、営業利益38.5億円(前年比△28.6%減)の減収減益となった。チャームケアの売上総利益率は+15.5%(前年は+17.4%)、営業利益率は+8.2%(前年は+11.3%)と利益率は悪化。

 チャームケアの業績悪化の要因は、不動産事業の悪化だ。前年の売上高130億円→56億円と△74億円の売上高の減少となり、利益は△18億円のマイナスとなった。主力の介護事業は売上高390億円(前年は334億円)、利益48億円(前年は44億円)と好調を維持している。

 チャームケアの売上総利益は前年の83億円→72億円と△11億円の悪化、販管費は前年の29億円→34億円と+5億円の悪化となり、営業利益は△16億円の悪化となった。

■チャームケアの事業内容は?

 チャームケアは介護付有料老人ホームを91ホーム(定員数:6,359人)を運営しており、業界10番手となっている。業界トップは、ベネッセスタイルケアの351ホーム(定員数:20,496名)、2番手がSOMPOケア、ベストライフ、ニチイグループとつづく。

 チャームケアは首都圏・近畿圏に出店し、ドミナント戦略をとっている。介護・老人ホームは人材が柱であり、転勤などの施策で人材の活用を進めている。

■チャームケアの収益構造は?

 チャームケアの収益構造は売上高の60%を占める家賃、食費、管理費などの月額利用料と介護報酬40%となっている。その配分として、労務費が全体の40%、施設費が20%などの配分となり、粗利は20%となっている。

 日本では介護付有料老人ホーム、有料老人ホーム、特別養護老人ホームなど色々な種類の老人ホームが存在する。介護付きとなることで、介護報酬を得ることができるのもチャームケアの特徴だ。

 チャームケアは、首都圏・高価格帯にターゲットを絞っており、月額費用は20~100万円となっている。同業他社のケア21、ウチヤマホールディングス、セントケアなど多数あるものの、チャームケアほど利益はでていない。なお、チャーム家の従業員数は1,826名、平均年齢43.1歳、平均勤続年数3.9年、平均年収は441万円となっている。

■チャームケアの株価推移は?

 チャームケアは2025年8月7日の決算発表後、8月8日に株価は約17%の大きな下落となった。予想PERは7.8倍まで下がった。時価総額は380億円と割安感はあるものの、売上高の前年割れの影響が大きい。

 そもそも、不動産事業により業績のブレが大きい。チャームケアは老人ホームを不動産会社やREITに売却することで利益を上げる事業モデル。そのため、不動産価格が上昇しているときは利益貢献が大きいものの、不動産価格が下がると利益がでなくなるだろう。

以 上

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