「SUZURI」や「カラーミーショップ」などのECサイト支援やホスティングサービスの「ロリポップ」、ハンドメイド販売サイトの「minne」などの展開しているGMOペパボ。売上高は前年比で順調に伸びているものの、広告宣伝費などの販管費増により利益は前年割れとなった。EC支援銘柄はGMOペパボだけでなく、無料ECサイト作成支援サービスのBASEなども株価は下落している。
「カラーミーショップ」「minne」等、EC事業をサポートするGMOペパボ(3633)、業績・株価好調!(2020年11月23日投稿)
■基本情報(2021年8月10日時点)
- 株価:3,645円(10年来高値:8,750円)
- 時価総額:199億円
- 予想PER:24.2倍
- PBR:7.46倍
- 予想配当利回り:2.22%
- 自己資本比率:31.2%
- 会計基準:日本基準
■GMOペパボの業績は?
GMOペパボの2021年12月期の第二四半期の売上高は59.5億円(前年同期比+11.2%増)、営業利益4.6億円(前年同期比△26.4%減)の増収減益となった。GMOペパボの売上総利益率は+56.7%(前年同期は+59.1%)、営業利益率は+7.7%(前年同期は+11.6%)と若干悪化となった。
GMOペパボの損益計算書をみると、販管費が前年同期よりも+4億円ほど増加しており、そのうち2億円はプロモーションコスト(広告宣伝費、販促費、ポイント引当金)が増えている。売上高を伸ばすことにプロモーション費用をかけないと伸びない状況となっている。
■GMOペパボの事業状況は?
GMOペパボはホスティングサービスの「ロリポップ」とEC支援の「カラーミーショップ」と「SUZURI」で安定的に成長している。ハンドメイドの「minne」の売上高は前年割れとなり成長鈍化が明確になった。「minne」の作家・ブランド数や作品数は増加しているものの、取引高(流通額)が増えていない状況となっている。注文件数は前年の90.4%にとどまっている。
簡単にTシャツなどのグッズを作成できるサービスの「SUZURI」はプロモーション費用がかさんでいる。アイテム数を増やしたり、会員登録時の割引クーポンの付与・送料無料キャンペーンなどプロモーション費用をかけている。
競合他社のBASEも苦戦しており、BASEの2021年12月期の第二四半期の売上高は24.5億円、営業利益は△2.8億円の赤字となっている。新型コロナウイルスの影響が拡大したときに、BASEやGMOペパボなどのEC支援サービスの業績と株価は大きく伸びたものの、コロナ禍が定着したあと、業績をさらに伸ばすことが難しくなってきているようだ。
■GMOペパボの株価の行方は?
GMOペパボの時価総額は約200億円。競合となるBASEは最高値から半値以下に下落しても時価総額は約1,300億円となっている。GMOペパボも最高値から半値以下に株価は下落しており、含み損をかかえた投資家の戻り売りにより上昇に転じるには時間がかかりそうだ。
ただし、BASEにくらべると割安感はあり、どこかで株価の下落は止まるはずと信じたい。現状のGMOペパボの業績計画は売上高132億円、営業利益11.1億円、当期純利益8億円。予想PERを20~30倍で考えると160~240億円の時価総額のレンジになりそうだ。
以 上