アネスト岩田、スプレーガンや空気圧縮機で競争力のある専業メーカー!

 空気圧縮機やスプレーガン(塗装事業)などをグローバルに展開しているアネスト岩田。年間売上高は530億円、営業利益61億円と営業利益率10%を超えるグローバルメーカー。いっぽう、株価の評価は低く、予想PERは11倍、時価総額は約520億円。長期ビジョンとしては、売上高1,000億円以上を2030年以降の「ありたい姿」として目指す。今後の業績と株価の行方は?

■基本情報(2024年1月12日時点)

  • 株価:1,249円(10年来高値:1,357円)
  • 時価総額:521億円
  • 予想PER:10.9倍
  • PBR:1.16倍
  • 予想配当利回り:3.6%
  • 自己資本比率:67.8%
  • 会計基準:日本基準
  • 株主数:3,726人(2023年3月31日時点)

■アネスト岩田の業績は?

 アネスト岩田の2024年3月期の第二四半期の売上高は259億円(前年比+14.5%増)、営業利益28.7億円(前年比+22.5%増)の増収増益。アネスト岩田の売上総利益率は+44.9%(前年は+42.9%)、営業利益率は+11.1%(前年は+10.3%)と高い。産業機器などのメーカーは家電などの競争のはげしい分野と異なり、粗利率が高いのが特徴だ。

 アネスト岩田の売上総利益は前年の97億円→116億円と+19億円の増加、販管費は前年の74億円→88億円と+14億円の増加となり、営業利益は+5億円の改善となった。営業利益率も改善し、よい傾向となっている。

■アネスト岩田の事業内容は?

 アネスト岩田は産業機器メーカーであり、なかなか一般消費者の認知度が高いメーカーではない。事業は空気圧縮機(コンプレッサー)のエアエナジーが全体の60%、スプレーガン(塗装用ハンドガン)などのコーディング事業(塗装事業)が全体の約40%という売上高比率だ。営業利益率はエアエナジーが+10%、コーディングが+13.1%となっている。

 エアエナジーの年間売上高は2025年3月見込みで335億円。日本国内が134億円、中国が86億円、インドが40億円を想定している。これから成長が期待されるインドに早くから進出しているのが特徴だあ。中国は2019年頃に買収したSCR社が連結されて大きく伸びている。

 コーティング事業は、年間売上高は約220億円。日本が55億円、欧州が63億円、米国38億円、中国35億円、インド10億円。

■アネスト岩田の会社概要は?

 アネスト岩田は1926年創業の老舗メーカー。従業員数は連結ベースで1,799名。東証プライムに上場。スプレーガンと空気圧縮機に特化した専業メーカー。圧縮機は医療、工場、食品などさまざまなところで空気圧縮機の用途がある。スプレーガンは液体を霧状にして塗布する機器で、自動車、木材、金属などさまざまな領域で使用されている。

 空気圧縮機はオイルフリーに強みを持ち、食品、飲料、薬品、病院などで使用されている。エアブローや機器の稼働、吸着など生産工場や病院などで使用されている。空気圧縮機の市場は1.8兆円と言われており、今後の伸びしろも大きい。

■M&Aでグローバル展開!

 アネスト岩田はM&Aにも力をいれている。上海のSCR社を買収し、アネスト岩田とのシナジーを出してグローバルに展開。中国以外への輸出比率を高めている。ブラジルのコンプレッサーメーカーを買収。アメリカの塗装機器の販売代理店を買収。

■アネスト岩田の財務状況は?

 アネスト岩田の2023年9月30日時点の財務諸表をみると、現預金は153億円、棚卸資産は約130億円、有形固定資産は130億円、投資有価証券は56億円。負債は、有利子負債は9.5億円でほぼ有利子負債がない。その他、目立った負債はない。純資産は約490億円で、財務的には極めて健全だ。

■アネスト岩田の株価推移は?

 アネスト岩田の時価総額は約520億円。予想PERは10.9倍、予想配当利回りは3.6%と株価指標的に割高感はない。おそらく、2018年1月につけた高値の1,357円(現在の株価は1,249円)を突破することが予想される。アネスト岩田のM&Aは予想以上に上手くいっており、今後もグローバルに成長していくことが期待される。

(画像1)アネスト岩田の株価推移

以 上

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