クラウドカメラによる課金ビジネスを展開しているセーフィー(safie)。セーフィーは2026年度の黒字を目指しており、まだ2年くらいは赤字継続の予定だ。課金カメラ台数は26万台、売上総利益率+50.2%と将来の収益となるKPIを確実に伸ばしている。将来的にある程度インストールベースの課金カメラ台数が増えたときに値上げを実施し、一気に業績を伸ばす計画と思われる。今後の業績と株価の行方はどうなるのか?
クラウドモニタリングのシェアトップ、セーフィー(safie)の事業状況は?(2024年2月24日投稿)
クラウドカメラのセーフィー、現場DXによる遠隔監視から人検知まで!(2023年6月18日投稿)
■基本情報(2024年8月9日時点)
- 株価:718円(10年来高値:4,000円)
- 時価総額:397億円
- 予想PER:ー(赤字予想)
- PBR:4.01倍
- 予想配当利回り:0%
- 自己資本比率:83.1%
- 会計基準:日本基準
- 株主数:7,870人(2023年12月31日時点)
- 事業価値:329億円
■セーフィーの業績は?
セーフィーの2024年12月期の第二四半期の売上高は68.5億円(前年比+26.2%増)、営業利益△3.0億円(前年同期は△4.4億円)の増収赤字幅縮小となった。
セーフィーの売上総利益率は+49.8%(前年は+49.3%)と約50%となっている。セーフィーの売上総利益は前年の26.7億円→34.1億円と+7.4億円の増加、販管費は前年の31.1億円→37.1億円と+6.0億円の増加となり、営業赤字は+1.4億円の改善となった。
セーフィーはインストールベースの課金カメラ台数の増加を重要なKPIに設定しているため、現状の赤字はまったく問題ない。ITサービスのラクス、freee、マネーフォワードと同じ戦略で、いかにサブスクリプションを増やすかが重要な段階だ。
■セーフィーの事業状況は?
セーフィーの課金カメラ台数は前年同期の20.7万台→26.0万台と+25.6%増加となった。1台あたりの課金単価は月間3,260円くらいだ。この課金単価は現状は横ばいとなっている。どこかで値上げをすると、一気に業績改善になるだろう。
セーフィーのリカーリング比率は74%(前年は68%)。インストール台数が増えることで、徐々にリカーリング比率は改善されていくだろう。売上総利益率は+49.8%であるものの、スポット売上高の影響でブレる。だいたい50%前後で推移しているとの理解で問題ない。
セーフィーは2014年10月設立、従業員数461名の会社。課金カメラで稼ぐ、特徴的な事業モデルだ。正直、堅調に推移していくと、将来的にはキヤノンなどからの買収の対象になるのではないだろうか。
■セーフィーの今後の活躍は?
日本は労働力の減少が予見されており、生産性の向上が必須。建設業などはデジタルサービスの活用により省力化が求められる。また、小売りではセルフレジが普及してきており、マックスバリュー、ヨークベニマル、ベルクなどで導入されており、AIソリューションとしてセーフィーが活躍している。
■セーフィーの財務諸表は?
セーフィーの2024年6月末の財務諸表をみると、現預金は68億円、有形固定資産は6.3億円のみ。負債をみると、有利子負債は0.9億円となっている。財務的には健全だ。課金カメラも顧客資産になっているのが特徴で、資産が軽く、ITサービス企業と言ってよいだろう。カメラ自体はファブレスで製造していると思われ、設備投資もない。
セーフィーは2021年9月29日に東証マザーズに上場。上場時の公開価格は1株あたり2,430円、初値は3,350円(時価総額:1,640億円)。上場により約90億円ほど調達している。
■セーフィーの株価推移は?
セーフィーの時価総額は約400億円。正直、利益がでることが分かった段階で株価は一気に上昇するのではないだろうか。現状は本当に利益がでるのか疑心暗鬼といった状況だ。
以 上