酸素系漂白剤の「オキシクリーン」や健康サプリメントの「なかったコトに!」など特徴的な製品を展開しているグラフィコ。女性の長谷川社長が率いる老舗企業。従業員数は54名と少数であるものの、年間売上規模は40億円を突破。健康食品、化粧品、日用雑貨などを企画・製造・販売するファブレスメーカーだ。なお、従業員の女性比率は64%(日本企業の平均は25.2%)と高い。
「オキシクリーン」国内独占販売権を持つグラフィコ、下落する株価の行方は?(2021年3月6日投稿)
■基本情報(2021年10月8日時点)
- 株価:3,270円(10年来高値:10,500円)
- 時価総額:30億円
- 予想PER:15.3倍
- PBR:1.57倍
- 予想配当利回り:0%
- 自己資本比率:83.3%
- 会計基準:日本基準
■グラフィコの業績は?
グラフィコの2021年6月期の売上高は41億円(前年比+17.1%増)、営業利益3.2億円(前年比+35.2%増)の増収増益となった。グラフィコの売上総利益率は+48.8%(前年は+49.5%)、営業利益率は+7.7%(前年は+6.7%)と利益率はそれほど変わらないものの、売上規模の増加により売上総利益と営業利益の改善につながった。
グラフィコの2021年6月期の販管費は16.8億円(前年は15億円)で前年よりも若干の増加となった。有価証券報告書で販管費の大口内訳をみると、荷造運賃4.9億円(前年は3.8億円)、広告宣伝費・販促費4.8億円(前年は4.3億円)、人件費2.1億円(前年は1.8億円)が占めている。BtoC向けのビジネスのため、販促費用の比率が大きくなってしまうのはしょうがない。
■グラフィコの事業内容とトピックスは?
グラフィコの決算説明資料を読むと、ビューティーケア分野のフットケア市場が前年比△30%減と大きく苦戦。外出自粛の影響としているが、需要自体が減少していないだろうか。
いっぽう、主力のハウスホールドの「オキシクリーン」は衛生意識の高まりなどで需要増。テレビCMなどのプロモーションなども効果を出し、前年比+38%増となった。引き続き、「オキシクリーン」頼りであることが明白になった。グラフィコとしても「オキシクリーン」の国内販売の売上依存度が高いことを懸念しており、事業ポートフォリオの最適化を進めたい考えだ。
グラフィコの利益構造をみると、売上高41億円に対して、荷造運賃が4.9億円と約12%の比率になっている。日用品は量がかさばるため荷造費用や運賃が高くなってしまう。現状はEC比率は5%前後であるものの、荷造運賃をいかに改善するかが利益構造改善のポイントになりそうだ。
■グラフィコの株価推移は?
グラフィコの時価総額は約30億円と売上規模や利益水準を考えると割高ではない。いっぽう、成長性と収益性に注目を集める点がないため、株価は上場後、下落トレンドをつづけている。
健康食品や化粧品などの新しい分野の芽が成長しないと、大きく株価上昇に向けて動き出すのは時間がかかりそうだ。おそらく、グラフィコの利益構造を見ると、営業利益率+10%を超えることは難しいだろう。
以 上