EPRシステム「MA-EYES(エムエーアイズ)」やWindows向けの自動作業ロボット「WinActor」などパッケージソフトを展開しているビーブレイクシステムズ。年間売上高は12億円程度で現在の時価総額は約20億円。東証マザーズ上場のなかでは時価総額の小さい小型株。ビーブレイクシステムズの業績と株価の行方はどうなるのか?
■基本情報(2021年9月10日時点)
- 株価:1,311円(10年来高値:8,300円)
- 時価総額:20億円
- 予想PER:21.6倍
- PBR:1.5倍
- 予想配当利回り:0.91%
- 自己資本比率:77.6%
- 会計基準:日本基準
■ビーブレイクシステムズの業績は?
ビーブレイクシステムズの2021年6月期の売上高は11.7億円(前年比+0.8%)、営業利益1.2億円(前年比△13.1%減)の増収減益となった。ビーブレイクシステムズの売上総利益率は+45.7%(前年は+45.1%)、営業利益率は+10.3%(前年は+12.0%)。
ビーブレイクシステムズの課題は売上規模が小さいこと。パッケージ事業の売上高は6.9億円(利益:+2.9億円)、システムインテグレーション事業は4.7億円(利益:+1.2億円)で合計で11.7億円の売上高となっている(セグメント別利益から全社共通の費用を差し引いて、営業利益は+1.2億円となっている)。
■ビーブレイクシステムズの事業内容は?
ビーブレイクシステムズのパッケージ事業は、主力製品のERPシステム「MA-EYES」の開発と販売だ。一括導入版とSaaS版(クラウド型)の2つのバージョンがあり、どちらも初期導入費用、追加開発費(フロー型売上)と保守費用、月額利用料(ストック型売上高)に分かれる。パッケージ事業の従事人員は約70名。具体的なフローとストックの売上高の内訳を開示していないため、ストック売上高が堅調に伸びているか判断する材料がない。
もうひとつはシステムインテグレーション事業だ。従業員を顧客に派遣し、顧客システムの構築支援をするもの。従事人員は30名前後。これは基本的にすべてフロー売上と考えてよいだろう。
ビーブレイクシステムズの事業で注目すべきはパッケージ事業で、「MA-EYES」はプロジェクト管理、作業実績・勤怠、購買・経費、帳票分析、経理、在庫管理などさまざまな機能を有している。導入企業を見ると、中小企業が多い。大手企業はサイボウズ、ラクス、マネーフォワード、freee(フリー)、オービックビジネスコンサルタントの「奉行クラウド」などを導入しているケースが多いのではないだろうか。
■ビーブレイクシステムズの魅力は?
ビーブレイクシステムズの魅力は時価総額20億円という低迷している株価。売上規模と利益は小さいものの、財務状況は悪くない。配当も実施している。銘柄の資金の流入次第によっては2倍~3倍くらいは株価上昇する可能性は高い。
ビーブレイクシステムズは2002年7月に創業しており、すでに20年近い歴史がある会社。決算説明資料を見ると、昭和感がある資料作りで、残念ながら画期的な企業に成長するとは資料からは見えてこない。しかしながら、自己資本比率は77%で営業利益率は10%を超えており、健全な運営をしているITシステム企業と言えるだろう。
■ビーブレイクシステムズの株価推移は?
ビーブレイクシステムズの時価総額は約20億円。一時、時価総額は100億円を超えたものの、上場後はずっと右肩さがりのチャートとなっている。大株主を見ると、経営陣が50%以上の持分を保有している。2020年6月からは光通信が1.72%の保有を始めており、投資する価値があると判断したと思われる。
ビーブレイクシステムズは売上規模が小さいため、ヒットするサービスが生まれると成長性が大きく変わる。そのときには株価は大きく上昇するはずだ。あとは投資するタイミング次第。ここから少しずつ拾っていっても悪くないかもしれない。
会社規模や事業内容としてはビートレンド(時価総額:約35億円)と似ているものの、顧客管理アプリを提供しているビートレンドはアフターコロナで業績が大きく伸びる可能性があり、ビーブレイクシステムズと少し異なる。現時点ではビーブレイクシステムズのほうが業績の安定感は高い。
小売・外食のDX支援のビートレンド、アフターコロナで従量課金売上は上昇か!?(2021年8月22日投稿)
以 上