「請求管理ロボ」「請求まるなげロボ」「サブスクペイ」など顧客からの入金を代行するサービスを提供しているロボットペイメント。請求・入金代行による取引規模に応じて手数料を徴収する料金体系を採用。ロボットペイメント自体がサブスクリプション型に近いビジネスモデルのため、安定成長が期待される。
■基本情報(2022年2月18日時点)
- 株価:1,586円(10年来高値:4,795円)
- 時価総額:60億円
- 予想PER:ー(赤字予想)
- PBR:10.11倍
- 予想配当利回り:0%
- 自己資本比率:12.0%
- 会計基準:日本基準
■ロボットペイメントの業績は?
ロボットペイメントの2021年12月期の売上高は13.9億円(前年比+29.4%増)、営業利益2.0億円(前年比+133.1%増)の増収増益。ロボットペイメントの売上総利益率は+90.6%(前年は+92.5%)、営業利益率は+14.4%(前年は+8.0%)。現在のロボットペイメントは売上規模をいかに拡大していくかが重要で、営業利益はまったく重要な段階ではない。
販管費次第で営業利益は大きく変動するため、売上総利益率が+90%前後と高い点がポイントだ。仕組みを作ってしまうと、うまく管理することで手数料が入ってくる。競合他社と競いながら、いかに売上規模を拡大していくがポイントだ。
■ロボットペイメントの事業内容は?
ロボットペイメントは「請求管理ロボ」と「サブスクペイ」の2つが大きなサービスだ。「請求管理ロボ」はBtoBビジネスを行う法人が対象で、毎月の請求を自動請求、自動集金、自動消込、自動督促するもの。クラウドで提供するものが「請求管理ロボ」、請求業務を完全に受託(代行)するものが「請求まるなげロボ」だ。「請求まるなげロボ」は与信管理も行い、売掛債権の100%支払いを保証している。
「サブスクペイ」はBtoCビジネスを行う法人が対象で、定期課金をおこなう企業がターゲット顧客。顧客管理データベースや顧客管理機能、定期課金システム、決済機能などをクラウドで提供するサービスだ。
■ロボットペイメントの主な顧客は?
「請求管理ロボ」の主な導入企業は、KDDI、ビズリーチ、AI CROSS、ソフトブレイン、スマートニュース、エアトリ、ランサーズ、テモナなど上場企業も少なくない。「サブスクペイ」の主な導入企業は、カドカワ、学研、バッファロー、島村楽器、産経新聞、毎日新聞社、リブセンス、大阪大学、日本赤十字社、サッポロなど大手企業・団体も多い。
■ロボットペイメントの競合は?
ロボットペイメントは請求書や決済関連の事業領域であるが、競合他社も少なくない。「サブスクペイ」の競合としては、「会費ペイ」を展開しているメタップスペイメント(メタップスの子会社)、「STORES予約」のヘイ、SBIグループのゼウスが展開している「ゼウス決済」など。
給与即時払いサービス「CRIA(クリア)」などのメタップス、V字回復なるか!?(2021年3月28日投稿)
「請求管理ロボ」の競合としては、請求管理システムもライバルに入る。ラクスの「楽楽販売」、マネーフォワードの「MFクラウド請求」、freee(フリー)のサービス。
クラウド好調のラクス、戦略的な先行投資で利益は前年同期比で減少!(2021年8月14日投稿)
「請求管理ロボ」と同じ請求代行サービスの競合としては、ラクーンが提供している「Paid(ペイド)」、マネーフォワードの「マネーフォワード ケッサイ」、ネットプロテクションズの「NP後払い」などがある。
「スーパーデリバリー」のラクーン、販管費増で営業利益は前年割れに!(2021年12月5日投稿)
■ロボットペイメントの魅力は?
ロボットペイメントは時価総額60億円と株価は低いものの、ストック型の売上高で安定成長が見込める点が魅力だ。リカーリング収益比率は96.3%、成長性は前期比+30%前後、解約率は1%未満。
2023年12月期は売上高21.5億円、営業利益21百万円、2025年12月期は売上高37.3億円、営業利益6.0億円、2026年12月期は売上高50.1億円、営業利益12.1億円を計画している。ロボットペイメントの従業員数は88名と企業規模も小さく、今後の成長も期待できる。
■ロボットペイメントの株価推移は?
ロボットペイメントは一時、時価総額200億円近かったものの、現在は時価総額60億円まで株価下落。米国の金利上昇を受けて、グロース銘柄全般に売り圧力がかかっている影響をモロに受けている。
競合他社になるラクーンホールディングスは2022年4月の業績予想は売上高53億円、営業利益15億円で現在の時価総額は約250億円(時価総額は一時、700億円まで上昇)。ロボットペイメントの5年後の事業規模と同じレベル。長期投資で考えた場合、株式市場の地合いにもよるが、2~5倍くらいの株価上昇は期待できる銘柄ではないだろうか。
リスクとしては、強力な競合他社の出現だ。フィンテックの領域はテクノロジーの発展も目覚ましいので、サービスが陳腐化しないか成長率の継続的なウォッチが必要だ。
以 上