ビジネスSNS(会社訪問アプリ)の「Wantedly VISIT」や「Wantedly PEOPLE」を中心に事業展開しているウォンテッドリー(Wantedly)。仕事探し、プロフィール公開などで個人ブランディングしていく仕組みを提供しているウォンテッドリー。100名以下のテック企業を中心に活用されている。登録ユーザ数は349万人、登録企業数は4.3万社となっている。ウォンテッドリーの業績と株価の行方は?
会社訪問アプリ「Wantedly Visit」のウォンテッドリー、期待大のサブスクリプション成長モデル!(2021年5月8日投稿)
■基本情報(2022年7月15日時点)
- 株価:2,220円(10年来高値:5,770円)
- 時価総額:208億円
- 予想PER:34.7倍
- PBR:13.02倍
- 予想配当利回り:0%
- 自己資本比率:59.3%
- 会計基準:日本基準
■ウォンテッドリーの業績は?
ウォンテッドリーの2022年8月期の第三四半期の売上高は33.3億円(前年同期比+29.2%増)、営業利益9.5億円(前年比+81.3%増)の増収増益。ウォンテッドリーは売上総利益を公表しておらず、粗利がつかめない。
四半期毎の業績を見ると、2022年2Qは売上高11.2億円、営業利益2.2億円、2022年3Qは売上高11.5億円、営業利益4.7億円と売上高にくらべて利益が大きく増加している。内容をみると、広告宣伝費を大きく抑制した結果、販管費が9.0億円→6.8億円と2.2億円減少したことが営業利益拡大の要因だ。
■ウォンテッドリーの事業内容は?
ビジネスSNSという分野で事業をしており、ビジネス特化型SNSのLinkedINの日本版という領域でビジネスをしている。採用活動や従業員の定着などでサブスクリプション型課金だったり、従量課金だったりで主に企業に課金するビジネスモデルとなっている。
すでに登録ユーザは349万人、登録企業は4.3万社となっており、かなりの規模となっている。基本プランは月額4.5~20万円で6カ月~24カ月契約期間となっている。「Wantedly Visit」は気軽に会社訪問というコンセプトとなっており、テック系の企業を中心に採用されている。主に会社員、フリーランス、学生に「Wantedly VISIT」を通してアプローチできる仕組みとなっている。成功報酬はない。
■ウォンテッドリーの実力は?
2021年度の売上高は35.8億円、そのうち、フロー収益は7.9億円、ストック収益は27.8億円。ストック収益を4.3万社(登録企業数)で割ると、1社あたり年間6.5万円ほど。採用活動に生かせるのであれば、中小企業でも6.5万円なら活用するかもしれない。
2021年度は広告宣伝費に約12億円つかっており、かりに半分を削減していれば営業利益は4億円→10億円に大きく飛躍していただろう。2022年度はすでに9億円ほど広告宣伝費に使用しており、この広告費をコントロールして業績予想の売上高44.5億円、営業利益11.0億円に寄せてくるだろう。
■ウォンテッドリーの株価推移は?
ウォンテッドリーの時価総額は約200億円。まだまだ業績は伸びそうなので、株価も大きく伸びるはずだ。ただ、成長鈍化が見えたときに、一気に株が売られる可能性もあるので悩ましいところ。日本の採用市場は、リクルートなどの採用広告ビジネスからJAC・パソナ・MS-JAPANなどの仲介ビジネスなど多岐にわたる。ウォンテッドリーはビジネスSNSを活用した採用支援ビジネスというところ。
ただ、ビジネスSNSが大手にまで浸透するとなると難しいところ。Sansanの名刺アプリは大手にも浸透しているものの、ラクスの「楽楽精算」は中小企業が中心。「Wantedly VISIT」が大手まで浸透する場合には、時価総額は1,000億円台になってもおかしくない。引き続き、期待したい企業のひとつ。
以 上